世界最大の金融ブローカーTP ICAP、フィデリティらと暗号資産取引プラットフォームをローンチへ

世界最大の金融ブローカーTP ICAP、フィデリティらと暗号資産取引プラットフォームをローンチへ

世界最大の金融ブローカーである英TP ICAPグループが、フィデリティ・インベストメンツ(Fidelity Investments)とスタンダード・チャータード(Standard Chartered)のデジタル資産カストディ部門と共同で、暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォームを立ち上げることを6月29日にロイター通信が報じた。現在、このプラットフォームは英国の金融規制当局の承認待ちの状態だ。ちなみにスタンダード・チャータードのカストディ部門の名称はゾディア・カストディ(Zodia Custody)である。

この暗号資産取引プラットフォームは2021年後半にローンチ予定で、まずビットコイン取引から開始する予定とのこと。その後イーサリアム(ETH)の取引も行えるようにする予定とのことだ。

またこのプラットフォームはデジタル資産カストディアンのネットワークを通じた取引後のインフラを提供し、取引の執行と決済を別々に行うことになっている。

リリースでは暗号資産取引の現状について「現在、暗号資産の執行と保管のサービスは、通常1つのプラットフォームにまとめられており、信用リスクが高まっています」と説明されている。

TP ICAPのデジタルアセット部門の共同責任者であるダンカン・トレンホルム(Duncan Trenholme)氏はロイターに対し「この新しいアセットクラスに対する投資家の関心は、ここ6~8カ月で劇的に高まっています。当社の顧客との会話では、顧客はカストディの役割と執行能力の分離を望んでおり、これは現在存在するモデルとは正反対です」と伝えている。

編集部のコメント

TP ICAPは、2019年にCMEでビットコインの先物・オプション取引を開始しています。そして現在はトータル・リターン・スワップなど他のデリバティブ商品の発売を予定しているようです。

参考:ロイター通信
デザイン:一本寿和
images:iStocks/LongQuattro・Sushiman

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

米DTCC子会社DTC、SECからノーアクションレター取得。規制下のトークン化サービス検証へ

米国の金融市場インフラを担うデポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング・コーポレーション(Depository Trust & Clearing Corporation:DTCC)が、子会社であるデポジトリー・トラスト・カンパニー(Depository Trust Company:DTC)について、米証券取引委員会(SEC)の取引市場部門スタッフからノーアクションレターを取得したと12月11日に発表した

スーパーステートがトークン化株式の直接発行プログラム公開、ソラナとイーサリアムに対応

金融テクノロジー企業のスーパーステート(Superstate)は、イーサリアム(Ethereum)とソラナ(Solana)のブロックチェーン上でトークン化された株式を、米SEC(証券取引委員会)登録の公開企業(上場企業を含む)が直接発行できる新プログラム「ダイレクト・イシュアンス・プログラム(Direct Issuance Programs)」を12月10日に発表した