中国デジタル通貨研究所の所長、ウォレット機能の詳細に言及

中国デジタル通貨研究所の所長、ウォレット機能の詳細に言及

中国人民銀行デジタル通貨研究所のムー・チャンチュン(Mu Changchun)所長が中国上海にて開催された「経済と金融のデジタルトランスフォーメーション」でデジタル人民元ウォレットの詳細について6月11日にスピーチを行なった。

デジタル人民元ウォレットは4種類用意される予定のようだ。ウォレットの管理機関が顧客を識別し、実名性の強さに応じて、デジタル人民元ウォレットを階層的に管理し、ウォレットの種類ごとに異なる1回あたり、1日あたりの取引限度額、残高限度額を割り当てるようだ。

例えば1日の利用額が5,000元以下など取引量が少ない場合は、スマートフォンの番号だけでデジタル人民元ウォレットを作成することができるようだ。しかし取引量が増えてくると、本人確認や銀行口座へのリンクが必要になるとのこと。

また利用者はメインウォレットとサブウォレットを利用する設計となっているとのことだ。個人向けのウォレット機能として、限度額の設定、条件付きの支払い、個人のプライバシー保護などの機能、親戚からの贈り物の管理機能、 財務管理機能など挙げられている。

ムー・チャンチュン所長は「デジタル人民元ウォレットを構築することで、デジタル人民元のオンライン・オフラインでの適用を実現し、複数の科目・レベル・カテゴリー・形態のユーザーの差別化されたニーズを満たし、デジタル人民元ウォレットが普遍的に有益であることを保証し、技術的リテラシーや通信ネットワークへの依存などによる利用の障壁を回避することができます」と語った。

ムー・チャンチュン所長は「このウォレットシステムでは、指定事業者と協力して、基本的な決済機能コンポーネントを開発し、スマートコントラクトを利用して、時間条件、シナリオ条件、役割条件をトリガーとした条件付き決済機能を実現しています。 スマートコントラクトを利用することで、時間条件、シナリオ条件、役割条件をトリガーとした条件付き決済機能、例えば、使い捨てプリペイドカードの資金管理機能などを実現し、資金流出のリスクを回避することができます。

中国人民銀行やその他の認定機関は、複雑な決済・金融商品をさらに開発し、ウォレットエコロジープラットフォームを構築することで、マルチシナリオのニーズに応え、特別な機能を実現することができます」とスピーチにて結論づけた。

参考:SinaFinance
images:iStocks/Molnia・NatanaelGinting・Ninja-Studio
デザイン:一本寿和

 

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

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