シンガポールDBS銀行、オーストラリア・中国・香港・シンガポールの顧客向けに貿易金融プラットフォーム提供開始

シンガポールDBS銀行、オーストラリア・中国・香港・シンガポールの顧客向けに貿易金融プラットフォーム提供開始

 シンガポールのDBS銀行が、アジア太平洋地域の主要な貿易拠点における貿易金融のデジタル化を推進するため、貿易金融プラットフォーム「Contour」の提供を法人顧客に拡大したことを発表した。サービス展開を拡大するアジア太平洋地域の主要な貿易拠点は、オーストラリア、中国、香港、シンガポールだ。

この4拠点のDBS銀行の顧客は、貿易金融の信用状を介した取引において「Contour」を活用できるようになる。これにより、その顧客は決済時間の短縮、ペーパーワークの削減、複雑な取引プロセスの簡素化が可能になるようだ。 「Contour」はブロックチェーン企業R3が開発しているエンタープライズブロックチェーン「Corda」をベースに構築されたプラットフォームだ。「Contour」はコストと時間がかかる紙ベースの貿易金融プロセス(L/Cの作成、交換、承認、発行など)のデジタル化に焦点を当てている。

また現在までに「Contour」を利用している企業は、L/Cの開示プロセスを最大90%削減するなど、大きな効率化を実現しているとのことだ。さらに「Contour」は、安全なネットワーク上ですべてのIDを検証し、技術パートナーを活用して貿易書類とリアルタイムのデータを照合するため、偽造や不正行為の機会を大幅に減らすことができているようだ。

Contour社のCEOであるカール・ウェグナー(Carl Wegner)氏は「今回、アジアの大手銀行が当社のプロダクションネットワークに加わったことは、貿易金融文書のデジタル化の業界標準として、アジア太平洋地域でのContourの存在感が高まっていることを示しています。DBSはシンガポールの主要な貿易拠点としての地位を支える重要なパートナーであり、すでに当社のネットワークで数多くの取引を成功させています。DBSがこれら4つの市場のお客様にサービスを提供するための移行を促進できることを嬉しく思います。これは、世界貿易のための新しいデジタルエンドツーエンドのインフラになるための、もう一つの重要なステップです」とコメントしている。

DBS銀行のトレードプロダクトマネジメントのグループヘッドであるスリラン・マズクリッシュナン(Sriram Muthukrishnan)氏は「Contourとのパートナーシップは、DBSが継続的に行っている、貿易の効率化を推進し、法人顧客のために戦略的価値を引き出す取り組みと一致しています。デジタル化は、非常に複雑な貿易金融の性質、特に信用状に関連するプロセスを簡素化するための強力な手段であると認識しています。貿易プロセスのデジタル化は、企業が新たな時代を生き抜くためにますます重要になり、優先順位も高まっています」とコメントしている。

参考:Contour

(images:iStock/Pavel_R・Ninja-Studio)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

ブロックチェーン、仮想通貨(暗号通貨)、トークンエコノミー、評価経済、シェアリングエコノミーなどの「あたらしい経済」をテーマにしたWEBメディアです。「あたらしい経済」モデルやそこでの稼ぎ方、そこで未来を切り開く人々のエピソード、あたらしい時代における働き方や学ぶべきことなどを、紹介します。これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

ブロックチェーン、仮想通貨(暗号通貨)、トークンエコノミー、評価経済、シェアリングエコノミーなどの「あたらしい経済」をテーマにしたWEBメディアです。「あたらしい経済」モデルやそこでの稼ぎ方、そこで未来を切り開く人々のエピソード、あたらしい時代における働き方や学ぶべきことなどを、紹介します。これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

【12/6話題】他社発行の暗号資産が法人課税の対象外に調整、グレイスケールの現物イーサリアムETF承認延期など

暗号資産の法人期末課税、他社発行分を対象外に調整へ。24年度税制改正に向け=日経、米SEC、グレイスケールの現物イーサリアムETFの承認判断を延期、コインベースウォレット、InstagramやTikTok等にUSDC送金可能に、ビットトレードにSAND・AXS・MKR・DAI・MATIC上場へ、南米最大デジタル銀行Nubank、Circle及びTalosと提携、ブラックロックのビットコインETF、シード資金で約1,473万円の調達、米SEC、テラ訴訟で暗号資産の証券性判断は「陪審ではなく裁判官が行うべき」と主張、南米最大デジタル銀行Nubank、Circle及びTalosと提携、電通とTOPPANがWeb3ウォレットの実証実験、アバターUI市場の可能性探る

Sponsored

米SEC、テラ訴訟で暗号資産の証券性判断は「陪審ではなく裁判官が行うべき」と主張

昨年5月に暴落した暗号資産(仮想通貨)「テラ:Terra(LUNA:ルナ)」の発行元であるテラフォームラボ(Terraform Labs)に対する民事訴訟で、同社が提供・販売する暗号資産(仮想通貨)が有価証券か否かの判断は陪審ではなく裁判官が判断する事項だと、米証券取引委員会(SEC)が主張している

コインベースウォレット、InstagramやTikTok等にUSDC送金可能に

web3ウォレット「コインベースウォレット(Coinbase Wallet)」から、インスタグラム(Instagram)やティックトック(TikTok)等のアプリユーザーへ米ドルステーブルコイン「USD Coin(USDC)」が送金可能になったという。同ウォレット提供の大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が12月6日発表した