暗号資産課税の再延期を検討
韓国大統領府(青瓦台)が、2027年1月に予定されている暗号資産(仮想通貨)の所得課税について、再び延期する方向で検討を進めているようだ。韓国経済紙「ソウル経済」が10月25日に報じた。
報道によると、大統領府は課税開始を先送りする方向に重きを置いており、国政監査の終了後に与党との協議を通じて、政府・与党としての方針を決める見通しだ。
ただし、大統領府は同日、課税の延期について検討中であり、正式に決定したものではないとの立場も示している。
米国との税務情報交換が課題に
今回の延期検討の背景には、経済協力開発機構(OECD)が策定した「暗号資産報告枠組み(CARF)」に基づく国際的な税務情報交換の開始時期があるという。
CARFは、各国の税務当局が暗号資産サービス提供事業者から利用者の居住地や取引情報を収集し、国境を越えて自動的に交換するための枠組みだ。
韓国を含む46の国・地域では2027年から情報交換が始まる予定だが、米国が初めて情報交換を行うのは2029年となる見通しだ。
大統領府は、米国との情報交換が始まる前に韓国で課税を導入した場合、海外取引所を利用する投資家の所得を十分に把握できず、国内取引所の利用者に課税が偏る可能性を懸念しているという。
このほか、課税に必要な制度やシステムの整備状況、暗号資産投資に積極的な若年層の意見なども、延期を検討する要因になっているとみられる。
与党議員が事実上の2029年延期法案を提出
韓国の与党「共に民主党」のパク・ミンギュ(朴珉奎)議員ら14人は、暗号資産課税の開始時期を事実上2029年に延期する所得税法改正案を10月16日に提出した。
同改正案は、課税開始日を国際的な暗号資産取引情報の初回交換が行われた年の2年後の1月1日とする内容だ。予定通り2027年に情報交換が始まれば、課税開始は2029年1月1日となる。
最大野党「国民の力」も、課税インフラの整備が不十分だとして延期を支持している。
一方、与党内には予定通りの課税開始を求める意見も残っており、実施時期については議論が続いている。
共に民主党のキム・ミンソク(金民錫)代表は10月22日、暗号資産課税について年内に結論を出す必要があるとの考えを示した。
延期の可否や具体的な開始時期は、11月から始まる国会での税法改正審議を経て、11月末から12月初めにも決まる見通しだ。
なお、現行の所得税法では、暗号資産の譲渡や貸与で得た収入から取得費などの必要経費を差し引き、年間250万ウォン(約29万円)の基本控除を超えた所得部分に対し、地方所得税を含む22%の税率を適用することになっている。
暗号資産課税は当初2022年1月に始まる予定だったが、2023年、2025年、2027年へと3度延期されてきた。今回も延期が決まれば4度目となる。