米国ユーザー向けに暗号資産の無期限先物を提供へ
米投資アプリ運営のロビンフッド(Robinhood)が、米国の対象ユーザー向けに暗号資産(仮想通貨)の無期限先物(パーペチュアル)取引を提供する計画を9月29日に発表した。同社は同日開催した「HOOD Summit 2026」で、AIエージェントによる自動取引や米国株式の24時間365日取引など、アクティブトレーダー向けの新機能も発表した。
無期限先物は、暗号資産そのものを売買するのではなく、暗号資産の価格を参照する先物契約を取引するデリバティブ商品の一種だ。通常の先物には決済期限となる満期日があるが、無期限先物には満期日がなく、ユーザーは価格上昇を見込むロングと、価格下落を見込むショートのポジションを取れる。
ロビンフッドが提供する無期限先物の対象銘柄は、BTC、ETH、SOL、XRP、DOGE、ADA、LINK、HYPEとなる。レバレッジはBTCとETHで最大10倍、その他の銘柄で最大3倍となる。レバレッジ取引では、ユーザーが差し入れた証拠金を上回る規模のポジションを持てる一方、価格変動による利益と損失も大きくなる。
ユーザーはストップロス注文と利益確定注文を設定できるほか、清算価格をリアルタイムで確認できる。清算は、レバレッジ取引で損失が一定の水準に達した場合にポジションを強制的に決済する仕組みだ。ロビンフッドは、ポジションにリスクが生じた場合にユーザーへ通知する機能も提供する。
またロビンフッドでは、保有中のポジションで生じた損益が15分ごとに確定し、その結果が担保残高に反映される。ロビンフッド共同創業者兼CEOのヴラッド・テネフ(Vlad Tenev)氏は自身のXアカウントで、今回の商品を「米国初の真の無期限先物」と表現している。
無期限先物は、ロビンフッド・デリバティブズ(Robinhood Derivatives)が、ロビンフッド傘下の暗号資産取引所ビットスタンプ(Bitstamp)を通じて提供する。ロビンフッドは2025年6月にビットスタンプの買収を完了している。取引手数料は今年末まで1取引あたり取引額の0.01%となる。
AIエージェントが市場分析から取引まで実行
ロビンフッドは今回、同社アプリ内でAIエージェントを構築できる「ロビンフッド・エージェンツ(Robinhood Agents)」も発表した。AIエージェントは、ユーザーが設定した指示や制限に基づき、市場調査や投資戦略の構築に加え、実際の取引まで実行できる。
ロビンフッドは今年5月、ユーザー自身が用意した外部のAIエージェントを同社サービスに接続し、自律的に取引させる「エージェンティック・トレーディング(Agentic Trading)」を開始した。ロビンフッドによると、これまでに15万人以上が専用口座を開設し、AIエージェントによる同社ツールの利用回数は現在1日約3,000万回に達している。今回はこの仕組みをアプリ内に組み込み、ユーザー自身がAIエージェントを構築できるようにする。
ユーザーは複数のAI企業が提供するモデルから、利用するモデルを選択する。AIエージェントが取引できる資金は、専用のエージェンティック・トレーディング口座内に限定される。またユーザーは、AIエージェントによる注文をその都度手動で承認する設定も利用できる。同設定は初期状態で有効となる。
またロビンフッドは今後、継続的な指示をAIエージェントに実行させる「ループス(Loops)」を提供する。例えば毎朝市場を確認し、指定した条件を満たした場合に取引するよう指示できるほか、夜間に投資機会を継続して探すよう設定できる。ユーザーはループスをいつでも停止できる。
ロビンフッド・エージェンツでは、外部企業が提供するデータや専門ツールをAIエージェントで利用できる「エージェント・アップス(Agent Apps)」も提供される。提供開始時またはその後に参加する企業として、ナスダック(Nasdaq)やトークン・ターミナル(Token Terminal)など11社が挙げられている。トークン・ターミナルの「クリプト・ファンダメンタルズ(Crypto Fundamentals)」では、100以上のブロックチェーンと1,200以上のアプリケーションのデータを利用し、ブロックチェーンや暗号資産を企業のように分析できるとのことだ。
このほかロビンフッドは、一部の米国株式とETFを24時間365日取引できるようにする計画も発表した。規制当局の審査を前提としており、現在は取引できない週末にも取引時間を広げる。
ロビンフッドは2023年に「ロビンフッド24アワー・マーケット(Robinhood 24 Hour Market)」を開始している。現在は数百銘柄の株式とETFを米東部時間の日曜日午後8時から金曜日午後8時まで取引できる。
Robinhood is bringing America its first true perps.
— Vlad Tenev (@vladtenev) September 30, 2026
No expiry, with P&L settled every 15 minutes.
A new chapter for US derivatives.
参考:ロビンフッド
画像:PIXTA