ニアの「NEAR Intents」でセキュリティインシデント、約380万ドル損失。全額補償へ

ニア・インテンツ、オムニとの連携部分のバグで約380万ドル損失

ニア(NEAR)エコシステムの、異なるブロックチェーン間で資産交換を行うプロトコル「ニア・インテンツ(NEAR Intents)」が、セキュリティインシデントの発生によりサービスを一時停止した。ニア・インテンツ公式Xアカウントで10月1日に発表された。

同アカウントの発表によると、暫定的な損失額は約380万ドル(約6億円)とのことだ。ニア・インテンツは被害額について全額補償するという。

ニア・インテンツでは、ユーザーが具体的な取引経路ではなく、「どの資産を何に交換したいか」といった希望する取引結果を指定する「インテント」と呼ばれる仕組みが採用されている。

同機能は、ユーザーが示した意図(インテント)を示すと、「ソルバー(Solver)」と呼ばれる外部の参加者が、その条件を満たす交換方法や価格を提示し、取引を実行する仕組みだ。例えばユーザーが「ビットコインをUSDCに交換したい」というインテントを示した場合、利用するブロックチェーンや資産の移動経路などを個別に指定することなく、異なるブロックチェーン間で資産を交換できる。

ニア・インテンツは現在、35のブロックチェーンと125種類以上の資産に対応している。公式サイトによると、これまでの累計取引高は300億ドル(約4.74兆円)を超えている。

ニア・インテンツによると、今回のインシデントの原因は、オムニ(Omni)の入出金インフラとニア・インテンツのスマートコントラクトとの連携部分に存在したバグだという。コントラクト側の脆弱性はすでに修正済みとのことだ。

今回の発表時点で、ニア・インテンツおよび「near.com」のサービスは約1時間以内に再開する予定とされていた。またオムニのインフラ修正が完了するまで、BNBスマートチェーン(BNB Smart Chain:BSC)、ポリゴン(Polygon)、トン(TON)、オプティミズム(Optimism)、アバランチ(Avalanche)、ステラ(Stellar)、モナド(Monad)、Xレイヤー(X Layer)、ADI、スクロール(Scroll)、プラズマ(Plasma)では、入出金をさらに約12時間停止すると説明された。

その後、ニア共同創業者のイリヤ・ポロスキン(Illia Polosukhin)氏は、ニア・インテンツとnear.comのサービスが再開したことを自身のXアカウントで報告した。また同氏によると、今回のインシデントで影響を受けた資産はBSC上のUSDTに限定されたという。

なお、これらのブロックチェーンの資産をニア・インテンツ内で保有しているユーザーについては、ニア・インテンツのサービス再開後、保有資産を別の資産へ交換できるようになるとのことだ。

またオンチェーン分析を行うザックXBT(ZachXBT)氏は、ニア・インテンツのBSCホットウォレットから複数の不審な資金流出が確認され、380万ドル(約6億円)超が流出したと報告した。同氏によると、流出した資金は暗号資産(仮想通貨)取引所クーコイン(KuCoin)へ送金された後、ビットコイン(Bitcoin)へ移されたという。

ニア・インテンツは今回のインシデントを法執行機関へ報告済みで、セキュリティ企業やブロックチェーン分析企業と協力して流出資金を追跡し、回収に取り組んでいるという。インシデントの詳細については、今後数日以内に報告書を公開する予定とのことだ。

 

参考:ザックXBT
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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