一時停止していたConfidential Balancesが復帰
レイヤー1ブロックチェーン「ソラナ(Solana)」で一時的に無効化されていた「コンフィデンシャル・バランス(Confidential Balances)」が、メインネットで再有効化された。ソラナのデベロッパーリレーションズ(DevRel)を務めるキャット・マギー(Cat McGee)氏が、6月26日に公開した解説動画で説明した。
コンフィデンシャル・バランスは、トークン機能拡張「トークン2022(Token-2022)」で提供される機密性機能だ。送信者および受信者のアドレスは公開したまま、送金額やトークン残高のみを暗号化できる。完全な匿名性ではなく、取引の透明性を維持しながら機密性(confidentiality)を提供することを目的としている。同機能は現在、メインネットおよびデブネットで利用可能となっており、エクスプローラーではトランザクションや送受信アドレスは確認できる一方、送金額や残高は表示されない。
コンフィデンシャル・バランスは2025年4月に正式導入されたものの、その後、同機能を支える暗号プログラム「ZKエルガマル・プログラム(ZK ElGamal Program)」でセキュリティ上の問題が見つかり、メインネットおよびデブネットの双方で一時的に無効化されていた。
マギー氏によると、この問題はゼロ知識証明の実装に関するもので、実際に悪用された事例は確認されていないという。また同氏は、問題はすでに修正され、複数のゼロ知識証明分野のセキュリティ企業による監査も完了したと説明している。
コンフィデンシャル・バランスは、「コンフィデンシャル・トランスファー(Confidential Transfer)」に加え、「コンフィデンシャル・ミント(Confidential Mint)」、「コンフィデンシャル・バーン(Confidential Burn)」、「コンフィデンシャル・トランスファー・フィー(Confidential Transfer Fee)」などを含む複数の機密性機能を統合した仕組みだ。また、同機能ではトークン発行体が任意で監査キー(Auditor Key)を設定できるほか、受信した資産を一時的に保持し、残高の整合性を保つための「ペンディング・バランス(Pending Balance)」も備えている。
利用者は通常の公開残高(Public Balance)とは別に、コンフィデンシャル残高(Confidential Balance)を保有できる。公開残高からコンフィデンシャル残高へ資産を移した後、コンフィデンシャル残高同士で非公開送金を行い、必要に応じて再び公開残高へ戻すことも可能となっている。
同機能では、ゼロ知識証明(ZKP)と準同型暗号(Homomorphic Encryption)を組み合わせることで、バリデータは送金額を確認することなく取引の正当性を検証できる。また、監査キーが設定されている場合は、監査者が送金内容を閲覧できる一方、資産を移動させる権限は持たないとのことだ。
なお、パブリックブロックチェーンでは、誰でも取引履歴や残高を閲覧できることが透明性の特徴とされてきた。一方、企業間決済や財務管理、給与支払いなどでは、取引金額や保有資産を公開したくないというニーズも存在する。
こうした背景から近年は、複数のブロックチェーンで機密性機能の実装が進められている。
アプトス(Aptos)は今年4月、ネイティブトークン「APT」の残高や送金額を暗号化できる「コンフィデンシャルAPT(Confidential APT)」を導入した。同機能では、送信者と受信者のアドレスは公開したまま、送金額や残高のみを秘匿する設計が採用されている。
また、スイ(Sui)は今年6月、デブネットで公開ベータ版として「コンフィデンシャル・トランスファーズ(Confidential Transfers)」の提供を開始した。同機能では、ステーブルコインなどスイ上の任意のトークンで秘匿送金を利用できるほか、監査権限やデータ閲覧権限なども設定できる。
今回ソラナで再導入されるコンフィデンシャル・バランスも、送信者や受信者は公開したまま、送金額や保有残高のみを秘匿する設計を採用している。近年は、企業や金融機関で求められるプライバシー保護とコンプライアンス対応を両立する機能として、各ブロックチェーンで同様の取り組みが進められている。
Confidential Balances are BACK!!!! pic.twitter.com/YMCm81iZNB
— Cat McGee (@catmcgee) June 25, 2026