韓国警察、ビッサム代表を被疑者立件。議員息子の採用依頼巡り捜査=報道

ビッサム代表を賄賂供与容疑で捜査

韓国の暗号資産(仮想通貨)取引所ビッサム(Bithumb)の代表取締役イ・ジェウォン(Lee Jae-won)氏らが、国会議員の次男らの採用依頼に応じた疑いで、被疑者として立件された。韓国通信社「ヨンハップニュース(Yonhap News Agency)」が6月11日に報じた。

報道によると、ソウル警察庁公共犯罪捜査隊は、イ代表と役員2人の計3人に対し、賄賂供与などの容疑を適用して捜査している。

イ氏は、無所属議員のキム・ビョンギ(Kim Byung-kee)氏から同議員の次男や元補佐官らをビッサムに採用してほしいとの依頼を受け、実際に採用に動いた疑いが持たれているとのこと。

警察は、キム議員を巡る複数の疑惑を告発した元補佐官から供述を確保した。報道によると、この元補佐官は、キム議員が2024年11月にイ代表と会食した際、次男の就職を依頼したと証言しているという。また、国会政務委員会に所属していたキム議員は、息子の就職を見返りに、ビッサムの競合であるドゥナム(Dunamu)の独占・寡占問題の指摘などの議員活動に注力した可能性があるという。

なおドゥナムは、韓国最大手の暗号資産取引所アップビット(Upbit)を運営する企業だ。

警察はあわせて、キム議員が自身の議員事務所で勤務していた補佐官の就職をビッサム側に依頼したとの疑惑についても調査しているとのこと。「ヨンハップニュース」によると、この補佐官は2025年9月からビッサムに勤務しているとされる。

報道によると警察は6月8日、ソウル市江南区にあるビッサム本社などに対する2回目の家宅捜索を実施した。その際の捜索令状には、ビッサムのイ代表らが賄賂供与容疑の被疑者として記載されていた。

一方、今年2月に実施された最初の家宅捜索では、キム議員が息子の就職に関する賄賂収受容疑の被疑者として記載され、ビッサム側は参考人として扱われていたと報じられている。警察は今後、押収物の分析を進めるとともに、関係者への事情聴取を通じて就職の経緯や請託の認識の有無などを調べる見通しだ。

なお、ビッサムは韓国でアップビットに次ぐ規模を持つ暗号資産取引所だ。現在はIPO(新規株式公開)に向けて、内部統制や会計体制の整備を進めている。ただし同社を巡っては、近年、規制当局や捜査当局による監視も強まっている。

韓国金融情報分析院(FIU)は今年3月、ビッサムに対し、特定金融情報法上の義務違反を理由に、6カ月の一部営業停止処分と368億ウォンの過料を科した。ただし、ソウル行政裁判所は4月30日、ビッサムが申し立てた執行停止を認めており、同処分の効力は本案判決まで停止されている。

また、ビッサムでは今年2月、プロモーション報酬の支給過程でビットコイン(BTC)を誤って配布する事案が発生した。これを受け韓国銀行(Bank of Korea)は、暗号資産取引所の内部統制強化や市場の安全装置整備の必要性を指摘している。

さらに2025年3月には、ビッサム元CEOのキム・デシク(Kim Dae-sik)氏に対する会社資金によるアパート購入資金支援疑惑を巡り、韓国検察がビッサム本社を家宅捜索したと報じられている。

韓国では近年、取引所の法令順守体制や内部統制に対する監視が強まっている。金融当局や捜査当局による取引所への調査や監督も相次いでいる。

参考:ヨンハップニュース
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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