ジェミナイがAIによる自動取引機能を提供
暗号資産(仮想通貨)取引所ジェミナイ(Gemini)が、AIエージェントによる自動取引機能「エージェンティックトレーディング(Agentic Trading)」の提供開始を4月27日に公式ブログで発表した。
同機能は、米国拠点の規制下にある取引所から直接利用できるエージェンティック取引ツールとしては初の事例とされている。
エージェンティック取引とは、AIエージェントがユーザーに代わって取引を実行する仕組みであり、注文の発注、市場の監視、リスク管理などを自動的に行う。ユーザーは戦略を定義し、その実行をAIに任せることが可能だ。
同機能は、「モデル・コンテキスト・プロトコル(Model Context Protocol:MCP)」を通じて提供される。MCPは、AIエージェントが外部のAPIにアクセスし、ユーザーに代わって操作を実行できるようにするオープン標準だ。
ジェミナイは、自社の全APIをMCPと統合したとしており、クロード(Claude)やチャットGPT(ChatGPT)などのAIモデルを接続することで、注文発注や市場データの取得など、従来APIで可能だった操作をAIエージェント経由で実行できるとしている。
また同社は、エージェントが利用できる事前構築済み機能として「トレーディングスキル(Trading Skills)」を導入した。ローンチ時点では、リアルタイム価格や板情報を取得する「マーケットデータ取得」、売買スプレッドを確認する「スプレッド確認」、過去データを取得する「ローソク足取得」の3機能が提供される。
ユーザーは、例えば「ビットコイン(BTC)が10万ドル(約1,591万円)に達したら売却する」などの条件を設定することで、AIエージェントに取引を実行させることが可能とされている。
同社によると、経験豊富なトレーダーはカスタムエージェントや複雑な戦略を構築できる一方、自動化に不慣れなユーザーでも既存のAIツールを接続することで利用を開始できるとのことだ。
また今回の取り組みは、AIエージェントが外部サービスやAPIに直接アクセスし、操作を実行する「エージェンティックAI」の流れの中に位置付けられる。
同様の動きとしては、コインベース(Coinbase)が初期開発に関与した「x402」や、ストライプ(Stripe)およびパラダイム(Paradigm)などの支援を受けるテンポ(Tempo)による「MPP(Machine Payments Protocol)」などがある。これらは必ずしもAIエージェント専用の機能ではないものの、AIによる決済やウォレット操作の自動化に関連する技術として位置付けられる。
これらの取り組みが決済や資産管理領域を対象としているのに対し、ジェミナイの今回の取り組みは取引領域における自動化を進めた点が特徴とされる。
参考:ジェミナイ
画像:PIXTA