イーサリアム財団、「EF Mandate」公開。使命と意思決定原則を明文化

イーサリアム財団が「EF Mandate」公開

イーサリアム(Ethereum)を支援するイーサリアム財団(Ethereum Foundation)の使命や意思決定の原則を示す文書「EFマンデート(EF Mandate)」が、同財団より3月13日に公開された。

同文書は、イーサリアム財団にとって「憲章」、「マニフェスト」、「指針」となる文書と説明されている。主に同財団自身に向けて書かれたもので、財団が何を目的として存在するのか、どのような原則に基づいて意思決定を行うのか、また使命に忠実であるために何を行い何を拒むべきかを明確にする目的があるという。

イーサリアム財団のプレジデントである宮口あや(Aya Miyaguchi)氏は自身のXアカウントで、この文書について「イーサリアムの未来はもはや遠いものではなく、すでにここにあると感じている。そのため、私たちが何を守るために存在しているのか、どのようにイーサリアムの約束を支えていくのかを、より明確にする必要があると考えた」と説明している。

また同氏は、「マンデートに記載された原則は新しいものではなく、長い時間をかけて技術と文化の中で培われてきたものだ」としたうえで、「これまで暗黙的だった原則を明確に示すために文書化した」と述べている。

同文書では、まずイーサリアムの存在理由として「利用者の自己主権(user self-sovereignty)」が挙げられている。利用者が自らの資産やアイデンティティ、オンライン上の行動に対する最終的な権限を手放すことなく参加できるデジタル環境を実現することが、イーサリアムの目的だと説明されている。

また同文書は、イーサリアムが維持すべき性質として、検閲耐性(censorship resistance)、オープンソース(open source)、プライバシー(privacy)、セキュリティ(security)の4つを挙げている。これらは「クロップス(CROPS)」と呼ばれる原則で、同財団は「イーサリアムは何よりもまず、検閲耐性があり、オープンソースであり、プライベートであり、安全でなければならない」と述べている。

さらに同文書では、イーサリアム財団の役割についても説明されている。同財団はイーサリアムの「親」、「支配者」、「最終的な権威」ではなく、ネットワークの原則を守るための「スチュワード(管理者)」であると位置づけられている。

また同財団は、イーサリアムの最初のスチュワードであったが、現在は多くのスチュワードの一つに過ぎないと説明。「私たちがいなくなった後も、ここで示した原則が継続することを願っている」としている。

ブテリン氏「イーサリアムは避難所となる技術」

イーサリアム共同創業者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏も自身のXアカウントでEFマンデートに言及。同氏はイーサリアムを「避難所となる技術(sanctuary technology)」と表現した。

同氏によると、イーサリアムの役割は、技術的な自己主権を守り、強制や支配、ラグプル(資金持ち逃げ)なしに人々が協調できる環境を提供することにあるという。また、特定の個人や組織、思想がサイバースペースにおいて完全な支配を確立することを防ぐ「脱出口(escape hatch)」として機能する技術でもあると説明した。

さらに同氏は、イーサリアム財団について、ネットワークの支配者ではなく「スチュワード」であるとし、プロトコル層における分散性、セキュリティ、プライバシー、検証可能性の強化を主な役割として取り組むと述べている。

参考:イーサリアム財団
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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