IQとFrax、韓国ウォン連動ステーブルコイン「KRWQ」をBaseでローンチ

韓国初の法定通貨担保型ウォンステーブルコイン

暗号資産(仮想通貨)プロジェクトのIQが、フラックス(Frax)と提携し韓国ウォンに連動する法定通貨担保型ステーブルコイン「KRWQ」をローンチしたと10月30日に発表した。

KRWQは、コインベース(Coinbase)のイーサリアムL2ネットワーク「ベース(Base)」上で最初に取引可能となった韓国ウォン建てステーブルコインとなる。流動性提供はベース上の分散型取引所(DEX)のエアロドローム(Aerodrome)で開始され、KRWQ-USDCペアが展開された。

KRWQはレイヤーゼロ(LayerZero)の「オムニチェーン・ファンジブル・トークン(OFT)標準」を採用しており、複数のブロックチェーン間での資産移転を可能にする。これによりユーザーはスターゲート(Stargate)ブリッジを利用してKRWQを他チェーン間で即時移動でき、価格変動なしで1:1の決済を実現するという。

フラックスは、米ドル建てステーブルコイン「frxUSD」をはじめとするトークン化資産基盤を運営している。その準備金の一部にはブラックロック(BlackRock)の「BUIDL」ファンドやスーパー・ステート(Superstate)、ウィズダムツリー(WisdomTree)などのトークン化米国債が組み込まれている。今回のKRWQは、こうした透明性と規制準拠を重視したフラックスの設計モデルを韓国ウォンに応用したものとなる。

現在KRWQの発行・償還はKYCを完了した取引所やマーケットメイカー、機関投資家などの認定パートナーのみに限定されている。韓国国内の一般投資家向けの提供は行われていない。

韓国では、与党「共に民主党」が今年6月、韓国企業によるステーブルコイン発行を認める「デジタル資産基本法案」を国会に提出した。同法案が可決されれば、自己資本5億ウォン(約5,300万円)以上を保有する企業が、韓国金融委員会(FSC)の認可のもとでステーブルコインを発行できるようになるという。

KRWQは韓国国会で審議中のこのステーブルコイン関連法案に先駆けて開発されたもので、同国初の法定通貨担保型・コンプライアンス対応のステーブルコインとなる見込みだ。

参考:IQ 
画像:PIXTA

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