セキュリタイズ、ナスダックにSPAC上場へ、評価額は12.5億ドル

セキュリタイズがナスダック上場へ

実物資産(RWA)のトークン化プラットフォーム提供のセキュリタイズ(Securitize)が、特別買収目的会社(SPAC)との事業統合による上場計画を10月28日に発表した。事前の株式評価額は12億5,000万ドル(約1,906億円)。最大で約4億6,900万ドル(約715億円)の資金調達が見込まれているという。

セキュリタイズの取引相手は金融大手キャンター・フィッツジェラルドLP(Cantor Fitzgerald LP)設立のブランクチェック企業、キャンター・エクイティ・パトーナーズ II(Cantor Equity Partners II)。同社は5月にIPO(新規株式公開)で2億4,000万ドル(約364億円)を調達して米ナスダック(Nasdaq)に上場したSPACだ。

合併後の企業名は「Securitize Corp.」に変更され、その普通株式はナスダック市場にてティッカーシンボル「SECZ」で取引される予定とのこと。

セキュリタイズの既存株主であるアークインベスト(ARK Invest)、ブラックロック(BlackRock)、ブロックチェーンキャピタル(Blockchain Capital)、ハミルトンレーン(Hamilton Lane)、ジャンプクリプト(Jump Crypto)、モルガンスタンレー(Morgan Stanley Investment Management)、トレードウェブマーケッツ(Tradeweb Markets)らの全持分は、合併後企業に移管されるとのことだ。

またセキュリタイズは上場計画の他、業界初の試みとなる、自社株式のトークン化計画も併せて発表している。

現在セキュリタイズは、アポロ(Apollo)、ブラックロック、ハミルトンレーン、KKR、バンエック(VanEck)などの大手資産運用会社との提携により、40億ドル(約6,100億円)以上の資産をトークン化している。

2022年にセキュリタイズは、KKRのヘルスケア戦略的成長ファンドII(KKR’s Health Care Strategic Growth Fund II)の一部の持分をアバランチ(Avalanche)上にトークン化した。大手グローバル投資運用会社がファンドをオンチェーン上にトークン化した初の事例となった。

またセキュリタイズ提供の基盤によってブラックロックが2024年に立ち上げたトークン化ファンド「ブラックロック・米ドル機関投資家向けデジタル流動性ファンド(BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund:BUIDL)」は、現在世界最大のトークン化された現実資産となっている。 

参考:セキュリタイズ
画像:iStocks/Максим-Ивасюк・Thinkhubstudio

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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