イーサリアム次期アップグレード「Fusaka」、Sepoliaテストネットで稼働

イーサリアムの次期アップグレード「Fusaka」の第2回テスト実施

イーサリアム(Ethereum)の開発者らが、次期大型アップグレード「フサカ(Fusaka)」のセポリア(Sepolia)テストネットでの稼働開始を10月14日に報告した。これは2週間前のホレスキー(Holesky)テストネットでの成功に続く2回目のテスト実装となる。

開発者らは10月28日にフーディ(Hoodi)ネットワークでの最終リハーサルを予定しており、その後メインネットでのアクティベーション日程を設定する。これがメインネット展開に向けた最終ステップとなる見込みだ。

フサカは今年5月に実装された大型アップグレード「ペクトラ(Pectra)」に続くもので、ネットワークを利用する機関投資家のコスト削減を目的としている。主要機能の一つである「ピアデータ・アベイラビリティサンプリング(PeerDAS:Peer Data Availability Sampling)」により、バリデーターはデータ全体ではなく一部のみを検証できるようになる。

PeerDASは、バリデーターが大規模なデータセット全体をダウンロードせずに、小さなサンプルのみで検証を可能にする技術だ。これにより帯域幅の要求が削減され、レイヤー2ネットワークとバリデーターの両方でコストが削減される。

セポリアのようなテストネットは、イーサリアムの開発サイクルにおいて重要な役割を果たしている。開発者らはメインネットで稼働させる前に、実際の条件下でアップグレードをテストするための信頼性の高い環境を提供する。

なおホレスキーは老朽化の兆候を見せ始めており、近い将来に廃止される見込みだ。今年初めにローンチされた後継のフーディは、イーサリアムのメインネットをより忠実に反映するように設計されている。今後予定されているフーディでのテストは、フサカが本番稼働した際のパフォーマンスを示す最も重要な指標になると期待されている。

画像:PIXTA

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

シタデル・セキュリティーズ、トークン化証券とDeFiに取引所・証券会社規制の適用を提言。業界側から反発の声も

米大手マーケットメイカーのシタデル・セキュリティーズ(Citadel Securities)が、トークン化された米国株式を取り扱うDeFi(分散型金融)プロトコルに対しても、取引所およびブローカー・ディーラーとしての規制を適用すべきだとする意見書を米証券取引委員会(SEC)に12月2日に提出した

【12/4話題】イーサリアムのFusakaがメインネット実装完了、MUFGとプログマが日本初のトークン化投資信託を開発へなど(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored