チェーンリンク、SWIFTとUBSと協業拡大。「DTA」標準でトークン化資産の実用化推進へ

チェーンリンクが新しい技術標準「DTA」を発表

分散型オラクルネットワーク提供のチェーンリンク(Chainlink)による新技術標準「デジタル・トランスファー・エージェント(Digital Transfer Agent:DTA)」が9月29日に発表された。

同技術は、トークン化ファンドのサブスクリプションや償還などの取引を既存の金融インフラを通じて処理できるようにするもの。国際銀行間ネットワークシステムを提供するSWIFT(国際銀行間通信協会)およびUBSアセット・マネジメント(UBS Asset Management)と連携して開発と実証を行ったという。

DTAは、チェーンリンクの「チェーンリンク・ランタイム・エンバイロメント(Chainlink Runtime Environment:CRE)」とSWIFTのメッセージ規格「ISO 20022」を組み合わせた仕組みだ。UBSのトークン化部門「UBSトークナイズ(UBS Tokenize)」が同仕組みの最初の採用企業となり、同社のシステムとDTAは統合されている。

UBSとの実証実験では、ファンドのサブスクリプションや償還リクエストをISO 20022メッセージで送信し、CREがこれを受信してオンチェーン処理に変換した。その結果、DTA技術標準に基づくスマートコントラクト・ワークフローを通じてファンドトークンの発行や償還が実行されたとのこと。

チェーンリンクは今回の発表を、シンガポール金融管理局(MAS)が主導する「プロジェクト・ガーディアン(Project Guardian)」に続く取り組みとして位置づけている。2024年には同プロジェクトの一環で、UBSと共に既存のフィアット決済システムを利用してトークン化ファンドの取引を可能にするパイロットを実施している。

またチェーンリンクは同日、別の発表としてSWIFTや米ディーティーシーシー(DTCC)、ユーロクリア(Euroclear)など24の金融機関と進める「コーポレートアクション処理の標準化プロジェクト」がフェーズ2に進展したことも明らかにした。このプロジェクトは、配当や株式分割などの企業行動データをAIとブロックチェーンで抽出・検証し、ISO 20022メッセージとして配信する仕組みを構築するもので、年間約580億ドル(約8兆7,000億円)の処理コスト削減が見込まれている。

チェーンリンクとSWIFTは2016年から協業を開始しており、これまで複数回の実証実験を重ねてきた。今回のDTAおよびコーポレートアクション処理の進展はその延長線上にある。

参考:チェーンリンクプレスリリース
画像:iStocks/Cemile-Bingol

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あたらしい経済 編集部

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これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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