イーロン・マスクの新党「アメリカ党」、ビットコイン支持を表明

「法定通貨は絶望的」

7月5日に新政党の「アメリカ党」結成を表明した実業家のイーロン・マスク(Elon Musk)氏は、同党がビットコインを受け入れるとの姿勢を7月7日に示した。

これは、あるXユーザーが「アメリカ党はビットコインを受け入れるのか?」と問いかけ、マスク氏が反応したことにより明らかになった。

マスク氏は「法定通貨は絶望的だから、その通りだ(BTCを受け入れる)」と返答している。

新党は、共和党と民主党の二大政党制に挑戦することを目的としている。

マスク氏は5日のXにて、「浪費と接待で国を破産させることに関して言えば、私たちは民主主義ではなく、一党独裁のシステムに住んでいる」と投稿。「アメリカ党は自由を取り戻すために結成された」と報告した。

「アメリカ党」の発足は、マスク氏が、「ビッグでビューティフルな法案(One Big Beautiful Bill)」をめぐり、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領と争ったことを受けたものだ。

トランプ大統領が5月4日に署名した約3.4兆ドル規模のこの法案は、税制改革、歳出、債務上限に関する包括的な内容を含んでいる。

法案には、防衛費や国境警備の大幅な拡充、富裕層向けの減税措置、医療・福祉分野の歳出削減が盛り込まれており、マスク氏はこれを「未来の産業と社会的包摂を犠牲にした、時代錯誤の財政運営」と強く批判していた。

またマスク氏は、「アメリカ党」を作るべきかを問うポストにて、「これを実行するひとつの方法は、上院の議席を2つか3つ、下院の選挙区を8つか10に絞ることだ。立法府のギリギリのマージンを考えれば、それが争点となる法律の決定票となり、真の民意に沿うことができるだろう」と述べている。

一方、トランプ氏は7月7日のトゥルース・ソーシャルの投稿にて、「私は、過去5週間にわたってイーロン・マスクが完全に『レールを外れ』、まるで列車事故のようになっているのを見て、悲しく思っている」とコメント。「アメリカの歴史上、第三政党が成功したことは一度もない」と付け加えた。

「アメリカ党」はすでに公式サイトを立ち上げており、億万長者のマーク・キューバン(Mark Cuban)氏やスカイブリッジ・キャピタル創業者のアンソニー・スカラムッチ(Anthony Scaramucci)氏らが新党に関心を示している。

なお「アメリカ党」は連邦選挙管理委員会に正式に登録されておらず、詳細なロードマップなどはまだ発表されていない。

画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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