Visa、年間120億ドル規模のステーブルコイン決済を処理するBVNKに出資

Visaがステーブルコイン決済のBVNKに出資

ステーブルコイン決済プラットフォームのBVNKが、米決済大手ビザ(Visa)の投資部門「ビザベンチャーズ(Visa Ventures)」から戦略的出資を受けたことを5月6日に発表した。なおその額は明かされていない。

BVNKはステーブルコインを活用し、従来のコルレス銀行(海外送金を行う際に中継する銀行)システムに依存しないグローバルな即時決済手段を実現するためのインフラを独自に構築してきた。同プラットフォームは現在、年間で約120億ドル(約1.7兆円)のステーブルコイン決済を処理しているという。

ビザの成長製品・パートナーシップ責任者であるルベイル・ビルワドカー(Rubail Birwadker)氏は、今回の出資について「BVNKのような新技術やビルダーに投資することで、商取引の未来にいち早く対応し、クライアントやパートナーにより良いサービスを提供し続けます」と説明している。

ビザの独自分析「ビザオンチェーンアナリティクス(Visa Onchain Analytics)」によれば、今年中にグローバルで処理されたステーブルコインの取引額は総額27兆ドル(約3,942兆円)、取引件数は12億5,000万件に達しているという。

なおBVNKによる今回の調達は、2024年12月に実施した5,000万ドル(約73億円)のシリーズB資金調達に続くものである。この資金調達はハウンベンチャーズ(Haun Ventures)が主導し、コインベースベンチャーズ(Coinbase Ventures)やタイガーグローバル(Tiger Global)などが参加した。

ビザは今年4月30日、ステーブルコイン基盤を提供するスタートアップのブリッジ(Bridge)との提携を発表。両社はラテンアメリカの複数国の利用者にステーブルコイン連動型ビザカードを提供する計画だという。このカードにより、利用者は暗号資産(仮想通貨)で日常の買い物が可能となるとのことだ。

参考:BVNK
画像:iStock/ChrisGorgio

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この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
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