エルサルバドル、IMF支援プログラム下でもビットコイン購入継続=報道

資金協定下でもBTC取得継続

エルサルバドルは、国際通貨基金(IMF)との14億ドル(約2,203億円)に及ぶ資金調達協定の取り決めにもかかわらず、ビットコイン(BTC)の購入を続けているようだ。ブルームバーグが4月30日に報じた。

エルサルバドルの経済相マリア・ルイサ・ハイエム(Maria Luisa Hayem)氏は、ブルームバーグの「政府が依然としてビットコインを購入しているか」との問いに対し、ブケレ大統領は資産の蓄積を継続する意向を示していると明かし、ビットコインプロジェクトが引き続き政府の優先事項であることを強調した。

また、エルサルバドルのビットコイン取得を監督するビットコインオフィス(The Bitcoin Office)は4月28日、Xにて「BTCの購入は継続中」と報告。エルサルバドルは記事執筆時点(2025年5月1日15:48)で6,161.18BTCを保有している。

今回のエルサルバドルの意思表示は、政府がビットコイン投資について政府の方針が変わらないことを強調する結果となった。

IMFとエルサルバドルは2024年12月、IMFから融資を受ける代わりに、エルサルバドルのビットコインの利用拡大策の見直し、およびエルサルバドルの公式デジタルウォレット「チーボ(Chivo)」への関与の段階的な取りやめについて合意していた。

また、2025年3月にIMFはエルサルバドルに対し、プログラムの一環として強化措置を求めた。その中でIMFは、エルサルバドルによるビットコイン購入を制限することを要求し、政府機関によるビットコインの新規取得を禁止。プログラム期間中は「取得上限0」が継続して設定された。また、2025年7月までに政府保有のビットコイン信託(Fidebitcoin)の清算と、エルサルバドルの公式デジタルウォレット「チーボ(Chivo)」システムへの政府の公的関与終了が義務化された。さらに政府保有のビットコイン・ウォレット・アドレスのすべてを公開すること、「チーボ」ユーザーの資金の分離、暗号資産関連事業体の監査済み財務諸表の公開を求めていた。

IMFからの新たな要求が行われた後、エルサルバドルのナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領は、同国のビットコイン購入は停止しないとXにて表明し、同国がビットコインの購入をやめるとの憶測を否定していた。

その後、IMFは4月26日に発表した「西半球局、2025年春会合」のブリーフィングにて、エルサルバドルとの資金調達協定の経過を報告。その中でIMFは、エルサルバドルが新たにビットコインを積み増さない義務を順守していることを報告していた。​

参考:ブルームバーグ
画像:iStock/DancingMan

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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