韓国カカオのブロックチェーン「クレイトン」、RWAトークン化推進でインドネシア企業らと提携

船舶資産トークン化へ

韓国の大手インターネット企業カカオ(Kakao)によるパブリックブロックチェーンプロジェクト「クレイトン(Klaytn)」が、インドネシアの運送会社PTペラヤラン コリンド(PT Pelayaran Korindo:PT)およびブロックチェーン企業ネオピン(NEOPIN)と共同で、リアルワールドアセット(RWA)トークン化推進へ向けて協力していくと11月9日発表した。

PTは、木材、合板、粗パーム油の輸送会社としてスタートした海運会社で、現在はインドネシアの鉄鋼、石油精製、化学、肥料を含む多くの業界の企業と契約し、インドネシア全土に輸送しているという。

なおネオピンは昨年、CeDeFi(中央集権型とDeFiのハイブリッド型)プロトコル「ネオピン(NEOPIN)」を立ち上げている。

発表によれば、まずはPT保有の船舶関連資産のトークン化から開始するとのことで、信頼性が高く実用的なRWAトークン化ビジネスモデルの開発を目指すとのことだ。

クレイトンはリリースにて、「船舶ファイナンスでは通常、船舶そのものを担保として提供することで、船舶の建造や購入資金を調達する。世界的に見ると、リース、輸出金融、代替プロバイダーを含む船舶金融市場は昨年5,250億ドル(約79兆円)に達し、世界市場に占めるアジア太平洋(APAC)地域のシェアは、創設年の40%から昨年44%へと成長した。船舶資産のトークン化により、機関投資家だけでなく個人投資家にとっても船舶ファイナンスの利用しやすさが大幅拡大し、Web3金融における投資資産の多様化に貢献するものと考える」と説明している。

またクレイトン財団は、過去1年にわたりクレイトンエコシステム全体でRWA関連のユースケースを拡大し、RWAトークン化を専門とする企業と協力し、技術、規制、ビジネスの観点から効果的なビジネスモデルを構築してきたという。

またネオピンは、自社のDeFiプラットフォームのノウハウを活かし、PTのトークン化資産のデジタル化、流動化、最適化していく予定だ。同社はまた、より利用しやすく、強力な差別化ポイントを持つRWA商品の導入も計画している。

3社は協力し、船舶金融を皮切りに世界のRWA市場をリードすることを目指すとのことだ。

クレイトン財団の代表理事であるソ・サンミン(Sangmin Seo)氏は「クレイトンブロックチェーンの高速処理と低手数料は、投資商品の発行者と一般ユーザーの双方が満足するデジタル資産取引サービスの構築を可能にする。私たちは優れたRWAトークン化プロジェクトの発掘から実際のサービス立ち上げまで、サービス構築の過程で実践的な経験を積んでいる」とコメントしている。

現在、現実世界の資産や権利(RWA)をトークン化することは業界のトレンドという向きがある。

11月には英HSBCが、金のトークン化に乗り出すことが明らかとなっていた。

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参考:クレイトン
images:iStocks/Igor-Korchak・Dmytro-Varavin

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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