ユーロクリアがデジタル証券発行サービス開始、世界銀行が初の発行体に

世界銀行が初の発行体に

欧州の大手清算機関ユーロクリア(Euroclear)が、デジタル証券発行(D-SI)サービス開始を10月24日発表した。

同サービスでは、分散型台帳技術(DLT)上でデジタル化された国際証券「DNN(Digitally Native Notes)」の発行・流通・決済を行うという。

「DNN」の第1号は、世界銀行の国際復興開発銀行(IBRD)が1億ユーロ(約158.8億円)で発行し、ルクセンブルク証券取引所に上場したとのこと。シティ(Citi)の発行体サービス部門が発行・支払代理人を務め、ディーラーにはTDセキュリティーズ(TD Securities)、ユーロクリア銀行は発行体中央証券預託機関を担当したとのことだ。

なおIBRDは、この債券を持続可能な開発活動への資金調達に利用する予定としている。

ユーロクリア・グループのCEOであるリーベ・モストレイ(Lieve Mostrey)氏は、「資産発行におけるDLTの統合は、完全にデジタル化され、データ化された金融市場インフラになるという私たちの目標を実現し続ける上で、私たちのエコシステムの進化における重要な一歩だ」とコメント。

また世界銀行のマネージング・ディレクター兼最高財務責任者(CFO)であるアンシュラ・カント(Anshula Kant)氏は「資本市場ではデジタル化への移行が進んでいる。ユーロクリアの新サービスは、発行体と投資家に、新たな一歩を踏み出す機会を提供する。世界銀行は、世界初のブロックチェーン債券の発行体として、完全なスケーラビリティと透明性を提供するこの新サービスに参加する最初の発行体となることを喜ばしく思う」と述べている。

ユーロクリア・グループは、アフター・トレード・サービスを提供する企業だ。債券、株式、デリバティブ、投資ファンドの国内およびクロスボーダー証券の決済とカストディを提供している。

ユーロクリアは2020年7月、フランス銀行が実施する中央銀行デジタル通貨(CBDC)実験プログラムのパートナーにも選出されている。

関連ニュース

参考:ユーロクリア
images:iStocks/Funtap・Ninja Studio

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

合わせて読みたい記事

【5/15話題】ソラナのSuperteam Japanが発足、DeNAのtrivia. techが6月にグローバルで配信へなど

ソラナ(SOL)の「Superteam」が日本で発足、責任者に元dYdX大木悠が就任、DeNAのオンチェーンゲーム「trivia. tech」、6月にグローバルで配信へ、トルネードキャッシュ開発者に5年4カ月の実刑判決、マネーロンダリングの罪で=報道、USDC発行の米サークル、IPO間近で持ち株会社を米国へ移行か=報道、dYdX創業者アントニオ・ジュリアーノ、dYdX開発会社のCEO退任、OKXが豪州で「OKX Australia」開設、現物とデリバティブ提供、SBI VCトレード、ユーザーに暗号資産・ブロックチェーン専門レポート「HashHub Research」を無料提供へ、ライトニングラボ、Bitcoinブロックチェーンにステーブルコイン導入のテスト実施=報道、北朝鮮、盗んだ暗号資産1億4750万ドルを資金洗浄、国連専門家パネルが報告=ロイター