zkRollupの「Intmax」、zkEVMの「Scroll」とインテグレーションへ

IntmaxとScrollがインテグレーションへ

ステートレスzkRollupプロジェクト「Intmax(イントマックス)」が、zkEVM開発の「Scroll(スクロール)」とインテグレーション(統合)することを4月4日発表した。

zkRollup(zkロールアップ)とは、暗号技術を利用した証明技術「ゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)」活用のロールアップのこと。ロールアップは、元となるブロックチェーンのセキュリティなどを活用しながら、ガス代(ネットワーク手数料)やネットワークの混雑解消を図るスケーリングソリューションである。

「イントマックス」はこのzkRollupを、バリデーターがデータを保持しない(1回のやり取りで状態が初期化する)「ステートレス」な形で提供する。これは基本的な合意レベルで処理を並列化するシーケンサー(シーケンス:順番を制御するコントローラー)の分散化が可能になることや、ユーザーが自らデータを保持できることが大きなメリットとして挙げられるとのこと。

「イントマックス」は、その「ステートレス」という特徴を活かして、データの利用効率・シーケンサーの分散化・相互運用性・プライバシーなど、レイヤー2に残る多くの問題を解決するとのことだ。

また「スクロール」では、「ゼロ知識証明」利用のうえイーサリアム(Ethereum)上で動いているアプリケーションやツール、コードをネイティブな互換性で使えるzk-rollupである「zkEVM」を開発している。なおEVM(イーサリアムバーチャルマシン)とは、スマートコントラクトの展開と実行を管理するイーサリアムネットワークのコンポーネントのことである。

今回の両プロジェクトの取り組みは、内部VMを持たない「イントマックス」が「スクロール」の「zkEVM」と統合することで、「イントマックス」の通常のロールアップでは不可能な、非常に高いスケーラビリティとカスタマイズ可能なプライバシーを「スクロール」のエコシステムへ提供する予定とのことだ。

なお「イントマックス」は、日本人起業家の日置玲於奈氏および藤本真衣氏がCo-Founderを務めるプロジェクト。同ソリューションは、2023年第2四半期にイーサリアムのメインネット上でアルファ版をローンチする予定とのこと。

また「イントマックス」と「スクロール」は、東京で開催されるイーサリアムのハッカソンイベント「ETHGlobal(イーサグローバル)」翌日の4月17日に、サイドイベント「zkNight Tokyo」を共同開催すると併せて発表している。

関連ニュース

参考:INTMAX
images:iStocks/noLimit46

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【5/2話題】ビットコインが下落、米検察がブロック捜査、レイヤーゼロがスナショなど

ビットコインが6%近く下落、FOMC控え 最高値から22%安、米連邦検察、米決済ブロックの社内業務を調査=報道、レイヤーゼロがスナップショット実施、エアドロ間近か、テザー社、Q1が過去最高益45億ドル超に、純資産額も初公表、米セキュリタイズがブラックロックらから4700万ドル調達。サークル、アプトスラボ、パクソスも参加、HashKey DX・リップル・SBI Ripple Asiaが提携、法人向けの「XRP Ledger」の日本市場導入で、「スイ(SUI)」のミステンラボ、グーグルクラウドと提携、親クリプト派マクヘンリー米下院議員、SECのイーサリアム調査を非難、ストライプで「AVAX」の購入が可能に、アバランチとコアウォレットに統合で、ユニスワップウォレットに「Robinhood Connect」統合、ロビンフッド内の資金で暗号資産購入可能に、イーサリアムL2「Scroll」がアップグレード実施、EIP-4844に対応、クリプトヴィレッジのLocal DAO、旧山古志に続き「長野県天龍峡」と「宮崎県椎葉村」を選定。「Nishikigoi NFT」保有者の投票で決定へ

ユニスワップウォレットに「Robinhood Connect」統合、ロビンフッド内の資金で暗号資産購入可能に

「ユニスワップ(Uniswap)」のモバイルアプリ「ユニスワップウォレット(Uniswap Wallet)」にオンランプ機能「ロビンフッドコネクト(Robinhood Connect)」が統合され、同アプリではロビンフッド内の資金で暗号資産(仮想通貨)の購入が可能となった。このことはユニスワップが4月29日発表した