ファミマ、ブロックチェーンでPETリサイクル実証実験、旭化成・伊藤忠らと

ファミマがブロックチェーンでPETリサイクルの実証実験

ファミリーマートの都内一部店舗にて、ブロックチェーン活用のトレーサビリティ(追跡可能性)システムを用いたPETボトルリサイクルの実証実験が行われることが7月6日分かった。

同実証により、コンビニエンスストアを起点とするPETボトルのリサイクルチェーンを可視化し、消費者の行動変容・再生プラスチックの利活用促進に与える影響を調査するという。これにより当該システムの社会実装上の課題を抽出し、トレーサビリティの価値を検証するとのこと。なお初回の実証は秋以降に実施する予定とのことだ。

具体的にこの実証実験では、まず消費者が実証対象店舗に設置された回収箱に、使用済みPETボトルを投入する。その際消費者は回収箱に印字された二次元コードをスマートフォンで読み取り、投入したPETボトルの本数をアプリ上に登録する。これにより消費者は、ブロックチェーントレーサビリティによって、自分が投入したPETボトルが回収後にリサイクルチェーンのどのプロセスにあるのかが確認できるとのことだ。

なおこの実証実験は、ファミリーマート、旭化成、伊藤忠商事、伊藤忠プラスチックス(CIPS)ら4社の合意により実施される。旭化成による資源循環社会の実現に向けたデジタルプラットフォーム構築プロジェクト「BLUE Plastics(ブルー・プラスチックス:Blockchain Loop to Unlock the value of the circular Economy)」のもと実証実験が行われる。

旭化成は本実証の企画設計・検証およびトレーサビリティシステム(プロトタイプ)を提供。伊藤忠商事およびCIPSは、トレーサビリティシステムの社会実装に向けた支援・協業を行うとのことだ。

なお「BLUE Plastics」で開発されたプラットフォームでは、ブロックチェーン技術を活用することでリサイクルチェーンにおけるデータ改ざんを防ぎ、トレーサビリティの担保ができるという。同プラットフォームのブロックチェーンには、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)の技術が使われている。

「BLUE Plastics」は昨年5月に発足されたプロジェクトだ。プロジェクト発足時のプレスリリースによると「BLUE Plastics」ではすでにデジタルプラットフォームのプロトタイプが完成しており、次の3つの特徴を有していると説明されていた。

(1)ブロックチェーンによる認証でリサイクル証明を担保
日本IBMのブロックチェーン技術を応用し、再生プラスチックのリサイクル率を証明する。消費者はスマートフォンのカメラで再生プラスチック製品に貼付してあるQRコード等を読み取ることで、再生プラスチックのリサイクル率を確認できる。

(2)リサイクルチェーンの可視化により消費者の安心感を醸成
上記同様に製品のQRコード等を読み取ることでリサイクルチェーンとプレイヤーをさかのぼって確認できる。データはブロックチェーンで管理されており、来歴の透明性を担保することで消費者の安心感を醸成する。

(3)消費者のリサイクル行動の変容を促す仕組みづくり
リサイクル行動にポイントを付すことで、消費者の行動変容を促すとのこと。実証実験や社会実装を通じてさらに効果的な仕組みづくりに努め、新たなリサイクル文化の創造を目指す。

以上の特徴により、再生プラスチック使用率の確認、リサイクルチェーンの可視化に加え、消費者行動変容を促す仕組みを備え、消費者まで巻き込んだリサイクル文化の創造を目指すと発表されていた。

関連ニュース

【取材】ローソンがNFT参入、SBINFTと「LAWSON TICKET NFT」を提供へ

ローソン、上海店舗販売の「おにぎり」をブロックチェーンで米産地証明

旭化成、日本IBMらとブロックチェーン活用のプラスチック資源循環プロジェクト「BLUE Plastics」発足

ダイキン、日本IBMと冷媒循環管理のブロックチェーンPF構築に向け実証実験

東レとソラミツ、ブロックチェーンでリサイクルポリエステルを管理する実証実験へ

参考:旭化成ファミマ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/TkKurikawa

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【5/2話題】ビットコインが下落、米検察がブロック捜査、レイヤーゼロがスナショなど

ビットコインが6%近く下落、FOMC控え 最高値から22%安、米連邦検察、米決済ブロックの社内業務を調査=報道、レイヤーゼロがスナップショット実施、エアドロ間近か、テザー社、Q1が過去最高益45億ドル超に、純資産額も初公表、米セキュリタイズがブラックロックらから4700万ドル調達。サークル、アプトスラボ、パクソスも参加、HashKey DX・リップル・SBI Ripple Asiaが提携、法人向けの「XRP Ledger」の日本市場導入で、「スイ(SUI)」のミステンラボ、グーグルクラウドと提携、親クリプト派マクヘンリー米下院議員、SECのイーサリアム調査を非難、ストライプで「AVAX」の購入が可能に、アバランチとコアウォレットに統合で、ユニスワップウォレットに「Robinhood Connect」統合、ロビンフッド内の資金で暗号資産購入可能に、イーサリアムL2「Scroll」がアップグレード実施、EIP-4844に対応、クリプトヴィレッジのLocal DAO、旧山古志に続き「長野県天龍峡」と「宮崎県椎葉村」を選定。「Nishikigoi NFT」保有者の投票で決定へ

ユニスワップウォレットに「Robinhood Connect」統合、ロビンフッド内の資金で暗号資産購入可能に

「ユニスワップ(Uniswap)」のモバイルアプリ「ユニスワップウォレット(Uniswap Wallet)」にオンランプ機能「ロビンフッドコネクト(Robinhood Connect)」が統合され、同アプリではロビンフッド内の資金で暗号資産(仮想通貨)の購入が可能となった。このことはユニスワップが4月29日発表した