米決済スタートアップのストライプ(Stripe)が約650億円の資金調達、評価額は約10兆円

米決済スタートアップのストライプ(Stripe)が約650億円の資金調達

米決済スタートアップのストライプ(Stripe)が評価額約10兆円(950億ドル)で約650億円(6億ドル)の資金調達を実施したことを発表した。

主な投資家は、Allianz X、Axa、Baillie Gifford、Fidelity Management & Research Company、Sequoia Capital、およびアイルランドのNational Treasury Management Agency (NTMA)だ。

日本でも多くの企業がストライプを決済インフラとして活用している。

調達した資金は、欧州事業、特にアイルランドのダブリン本社への投資、欧州全域の企業からの急増する需要への対応、グローバル・ペイメント&トレジャリー・ネットワークの拡大に使用する予定だ。

現在、ストライプがビジネスを展開している日本を含む42カ国のうち、31カ国がヨーロッパにあるとのことだ。また、ヨーロッパの大企業や急成長している企業の多くがストライプのプラットフォームを利用してるようだ。

またストライプは、50社以上のカテゴリーリーダー(年間決済処理額約1,200億円以上の企業)が顧客となっている。そしてストライプのエンタープライズ向けの収益はストライプ最大の柱となっていて、前年比で2倍以上に増加しているとのこと。

ストライプの社長兼共同創業者であるジョン・コリソン(John Collison)氏は、「当社は今年、ヨーロッパ、特にアイルランドへの投資を大幅に増やしています。

フィンテック、モビリティ、リテール、SaaSなど、ヨーロッパのデジタル経済の成長機会は計り知れないです」とコメントしている。

NTMAのCEOであるコナー・オケリー(Conor O’Kelly)氏は「ストライプは、世界の経済成長を加速させ、持続可能な金融をリードしています。

過去10年間に大きな進歩を遂げたにもかかわらず、ストライプの成功の大半はまだこれからだと確信しています。

私たちは、アイルランドとヨーロッパで最も著名なサクセスストーリーを支援し、そうすることで、他の何百万もの野心的な企業が世界経済での競争力を高めることを支援できることを嬉しく思います」とコメントしている。

ストライプの最高収益責任者であるマイク・クレイビル(Mike Clayville)氏は「2021年には、TwilioやZapierのような大企業が収益を大幅に拡大できるように、エンタープライズ機能、特にカスタマーサクセスチームを倍増させます。

また、GlofoxやMATCHESFASHIONのような企業が市場機会を拡大できるよう、グローバル展開にも投資していきます。

そしてSalesforce Commerce Cloudのようなエンタープライズソリューションとのパートナーシップを通じて、世界中の大規模な多国籍企業がストライプに切り替えることをさらに容易にしていきます」とコメントしている。

ストライプの最高財務責任者であるディヴィヤ・スリアデヴァラ(Dhivya Suryadevara)氏は「私たちは、2030年以降のインターネット商取引を支えるインフラに投資しています。

パンデミックは、どれだけ多くのことがオンラインで達成でき、支払いができるかなど、社会について多くのことを教えてくれましたが、インターネットはまだ世界経済の進歩のためのエンジンにはなり得ません。

私たちは、野心的なビジネスがより速く成長するのを支援することに集中しています。ストライプはすでに世界中の何百万ものビジネスのために年間数千億ドルを処理していますが、これからのチャンスは10年前に会社が設立されたときよりもはるかに大きくなっています」とコメントしている。

さらにブラジル、インド、インドネシア、タイ、アラブ首長国連邦では、数百万の企業がストライプを利用できるようになる予定だ。

編集部のコメント

次のヨーロッパの新興企業がストライプを利用しています。Deliveroo(イギリス)、Doctolib(フランス)、Glofox(アイルランド)、Klarna(スウェーデン)、ManoMano(フランス)、N26(ドイツ)、UiPath(ルーマニア)、Vinted(リトアニア)。

ストライプの競合はアメリカのペイパルです。ペイパルは暗号資産(仮想通貨)事業への取り組みを加速させています。

一方、ストライプは一時ビットコイン関連の決済サービスを提供していましたが、現在はサービス提供を行っていません。

リリースの中で、ストライプは2030年以降の商取引インフラを作ると伝えていることから、デジタル資産や暗号資産への取り組みは行なっているように思えます。ストライプがペイパルにどのように対抗していくのか楽しみです。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)

参考:Stripe has raised a new round of funding to accelerate momentum in Europe and reinforce enterprise leadership

(images:iStocks/BadBrother)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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