NECがスイスの金融ソフトウェア企業「Avaloq Group」の全株式を約2,360億円で取得する売買契約を締結

NECがスイスの金融ソフトウェア企業「Avaloq Group」の全株式を約2,360億円で取得する売買契約を締結

日本電気株式会社(NEC)がスイスの大手金融ソフトウェア企業アヴァロク・グループ(Avaloq Group)の株式を100%所有する持株会社であるWP/AV CH Holdingsの全株式を取得することを10月5日に発表した。NECの全株式の取得価格は約 2,360 億円(20.5 億スイス・フラン)であり、2021 年 4 月までの買収完了を予定しているとのことだ。

Avaloq社は金融に関する長く深い歴史の基にキャッシュレスや中央銀行デジタル通貨の研究など、金融DXの最先端を進むスイスを中心に金融機関向けソフトウェア事業を展開しており、世界 30ヵ国150社を超える顧客を有しているとのこと。金融資産管理むけソフトウェア市場でAvaloq社は欧州市場のシェア1位となっている。2019年12月の売り上げは約700億円で、売上の大部分がSaaSとメンテナンスから生まれている。

現在NECは安全・安心で公平・効率な社会の実現に向け、グローバルではNECが有する生体認証技術や AI(人工知能)技術などを活用してデジタルガバメント領域を中心に事業を展開していて、水平展開可能なソフトウェアを活用した SaaS(Software as a Service)型のビジネスモデルへの転換を進めていることが株式取得の理由として伝えられている。

日本電気株式会社(NEC)の代表取締役執行役員社長兼CEOの新野隆氏は「NECはAvaloq社やお客様との長期的な関係構築を重視し、Avaloq社のソフトウェアとAI技術ブランド”Bio-Idiom”、NECのAI技術ブランド”NEC the WISE”、革新的なブロックチェーン技術など、NECの最先端技術を融合させた新たなソリューションの創出を目指します。また、NECが2019年2月に買収した欧州のソフトウェア・ITサービス大手のKMDをはじめとするNECグループの販売チャネルを活用し、Avaloq社のソフトウェアのグローバルな販売拡大を推進していきます」とコメントしている。

Avaloq社のCEOであるユルク・フンツィカー(Juerg Hunziker)氏は「Avaloqチームは、長い歴史を持つ信頼性の高い企業であるNECグループの一員となることを嬉しく思っています。プロフェッショナリズム、信頼性、品質、精度を重視した顧客への優れたサービスという価値観が非常に似ているため、この提携は関係者全員にとって成功すると確信しており、刺激的で実りある協力関係を期待しています。また長期的なビジョンを支え、継続性、安定性、そして新たな市場での加速的な成長というエキサイティングな未来を提供してくれる強力なパートナーを得られたことを大変嬉しく思っています。NECは複雑化する世界でお客様の生活をよりシンプルにするソリューションでお客様にサービスを提供するという当社のサクセスストーリーを継続するために、完璧な新天地を見つけました」とコメントしている。

編集部のコメント

プレスリリースでは、NECが今後NECグループ全体のソフトウェアや技術を活用したSaaS型ビジネスモデルをグローバルに展開することで、デジタルガバメントやデジタルファイナンス分野を中心に事業の拡大と収益性の向上を目指していることを熱心に伝えています。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)

(images:iStock/antoniokhr)

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