韓国、暗号資産課税の2年延期求める請願を国会委員会に付託。5万人超が賛同

課税開始の2029年への延期と課税インフラ整備を要請

韓国で、2027年から予定される暗号資産(仮想通貨)所得への課税をさらに2年延期するよう求める請願が、国会の財政経済企画委員会に9月14日付で付託された。韓国国会の電子請願サイトで確認できる。

請願名は「コイン課税の2年猶予に関する請願」。賛同期間は8月21日から9月20日までで、本稿執筆時点(9月15日16:28)の賛同者数は5万2,042人となっている。 

韓国国会の国民同意請願制度では、請願の公開後30日以内に5万人以上の賛同が集まると、請願が成立し、所管委員会に付託される。今回の請願は、国会議案情報システムに請願第2200347号として登録された。

請願者は、韓国の暗号資産産業と個人投資家に対応した課税インフラを整備するため、課税開始を2年間延期するよう求めている。また請願者は、課税自体に反対するものではなく、制度と産業環境を整えたうえで課税すべきだと主張している。

また請願者は、国内取引所から海外への利用者や資金の流出によって国内取引所の収益や法人税収が減少し、暗号資産所得への課税による税収増が相殺される可能性があると主張。暗号資産投資家には若年層が多いとして、世代間の公平性も問題視している。

なお韓国国会では、「国民の力」のキム・サンフン(Kim Sang-hoon)議員らが8月28日、暗号資産所得への課税開始を2027年1月1日から2029年1月1日へ2年間延期する所得税法改正案(第2220914号)を提出している。同法案は8月31日、財政経済企画委員会に付託された。

韓国国税庁によると、同国では2024年12月の所得税法改正により、暗号資産所得への課税開始が2027年1月1日まで延期された。2027年1月1日以降に暗号資産を譲渡または貸し付けて得た所得は、その他所得として分離課税される。

課税額は、暗号資産の譲渡・貸付の対価から実際の取得価額や付随費用、年間250万ウォンの基礎控除を差し引いた金額に、所得税率20%を適用して算出される。所得税20%に地方所得税2%を加えた合計税率は22%となる。2027年に発生した所得の初回申告・納付は、2028年5月に行われる予定だ。

一方、韓国財政経済部は9月14日、暗号資産所得をその他所得に分類した理由について、取引の反復性や継続性の判断を巡る紛争や、申告・納付に伴う事務負担を抑えるためだと説明した。また、その他所得として基礎控除と単一税率を適用することで、所得間の課税の公平性にも配慮したとしている。なお、2027年1月1日前から保有する暗号資産の取得価額は、2026年12月31日時点の時価と実際の取得価額のうち、高い方となる。

なお、5月にも「暗号資産課税廃止に関する請願」が5万8,571人の賛同を集め、5月21日に同委員会へ付託された。今回の請願は、課税廃止ではなく2年間の延期を求める点で異なる。

今後は財政経済企画委員会で審査され、小委員会への付託・審査や、委員会全体での議決などが行われる可能性がある。ただし、請願が採択されても、それだけで課税延期が決まるわけではなく、実際の延期には所得税法の改正が必要となる。

参考:韓国国会電子請願「コイン課税の2年猶予に関する請願」韓国国会・議案情報システム「請願第2200347号」
画像:PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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