PaywardがClaude Mythos 5を導入
暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケン(Kraken)の親会社ペイワード(Payward)が、米AI企業アンソロピック(Anthropic)のAIモデル「クロード・ミュトス5(Claude Mythos 5)」を防御的サイバーセキュリティ業務に組み込み始めたと、8月17日に発表した。
クロード・ミュトス5は、アンソロピックが6月9日に限定提供を開始したAIモデルだ。一般提供されている「クロード・フェイブル5(Claude Fable 5)」と同じ基盤モデルを使用する一方、プロジェクト・グラスウィングのパートナー向けには、サイバーセキュリティ分野のセーフガードが解除されている。
またクロード・ミュトス5は、プロジェクト・グラスウィングで先行提供されていた「クロード・ミュトス・プレビュー(Claude Mythos Preview)」のアップグレード版にあたる。アンソロピックは、クロード・ミュトス5について、世界で最も高いサイバーセキュリティ能力を持つAIモデルだと説明している。
ペイワードは今後数週間で、クロード・ミュトス5を使って同社の全環境を対象に脆弱性をスキャンする。検出された問題は、既存のセキュリティプログラムのトリアージ・修復プロセスへ直接送られ、検証、優先順位付け、修正が行われるという。
ペイワード共同CEOアルジュン・セティ(Arjun Sethi)氏は、クロード・ミュトス5の導入について「攻撃者は1つの欠陥を見つければよい一方、防御側は毎日すべての欠陥を攻撃者より先に見つける必要がある」と発表にて指摘した。
また同氏はフロンティアAIについて、こうした攻撃側と防御側の非対称性を反転させ得る技術だとの考えを示した。AIを活用して大規模にコードを解析することで、エクスプロイトが作られる前に欠陥を発見できるとしている。
さらにペイワードは、クロード・ミュトス5を使って第三者のオープンソースソフトウェアに脆弱性を発見した場合、標準的な「責任ある開示」の慣行に従い、対象プロジェクトのメンテナーへ報告する方針だという。
ペイワードは脆弱性を上流のプロジェクトへ報告し、修正につなげることで、同じコードを利用する暗号資産エコシステム全体の防御強化を目指すとのこと。
ペイワードによると今回の導入は、アンソロピックのサイバー防御向けの取り組み「プロジェクト・グラスウィング(Project Glasswing)」への参加の一環とされる。
プロジェクト・グラスウィングは、アンソロピックが4月7日に開始した、世界の最も重要なソフトウェアをサイバー攻撃から保護するための取り組みだ。選定された企業やソフトウェア開発組織などに、高度なサイバーセキュリティ能力を持つAIモデルへのアクセスを提供し、自社およびオープンソースソフトウェアの脆弱性の発見・修正に活用する。
なお、サイバーセキュリティ用途のクロード・ミュトス5は、プロジェクト・グラスウィングのパートナーを含む少数の審査済み組織に限定提供されている。
Payward has joined @AnthropicAI‘s Project Glasswing, and are actively incorporating Claude Mythos 5, Anthropic’s most capable model for finding and fixing software vulnerabilities, into our defensive cybersecurity work. pic.twitter.com/37qOkAIGeQ
— Payward (@Payward) August 17, 2026
参考:ペイワード
画像:PIXTA