POAPが運営終了へ、5年以上で数百万のデジタルコレクティブル発行

持続可能な事業構築の難しさを指摘

イベント参加などを記念するデジタルコレクティブル発行プラットフォーム「POAP(Proof of Attendance Protocol)」が、5年以上にわたる運営を終了する方針だと、POAPの共同創業者兼ゼネラルマネージャーであるイザベル・ゴンザレス(Isabel Gonzalez)氏が、8月3日に自身のXアカウントで明らかにした。最終的なサービス終了日や既存機能の停止スケジュールは示されていない。

POAPは、イベントやコミュニティ活動などの体験をブロックチェーン上のデジタルコレクティブルとして記録するための仕組みだ。イベント主催者などが作成したコレクティブルを参加者が受け取り、参加証明や記念品として保有できる。POAP公式サイトによると、各POAPはERC-721規格のトークンとしてパブリックブロックチェーン上で発行される。

ゴンザレス氏によると、POAPはこれまでに数百のコミュニティで数百万点のコレクティブルを発行した。またコインベース(Coinbase)、アメリカン・エキスプレス(American Express)、ワーナー・ミュージック・グループ(Warner Music Group)、バイエル(Bayer)などと連携したという。イーサリアム(Ethereum)の開発者会議「デブコン(Devcon)」では、1週間で8,000点超を発行する取り組みも実施したほか、世界各地の空港でPOAPを受け取れる「エアポートラリー(Airport Rally)」も展開した。

一方で同氏は、暗号資産業界特有の資金調達サイクルやサービス普及の力学により、POAPの意義を支えてきた理念を損なわずに持続可能な企業を構築することは難しかったと説明した。

また同氏は、顧客コミュニティは企業が持つ資産の中で最も過小評価されていると指摘。POAPの利用者はイベントや教室、ハッカソンを通じて実際のつながりを得ていたと振り返った。さらに、新たなプロダクトの開発・提供にかかる時間が急速に短くなるなか、長期運営の実績とブランド資産が重要な競争優位になるとの見方を示した。

なおPOAPは3月16日、現行プラットフォームをメンテナンスモードへ移行していた。移行後は新規発行者による発行者向けインターフェースへのアクセスを停止した一方、既存発行者向けツールやコレクター向けインターフェース、API、既存のインテグレーションは継続するとしていた。

当時POAPチームは、誰でもコレクティブルを作成できる「オープンコレクティブル(Open Collectibles)」の標準と、それを実装する新たなプラットフォームの開発に注力する方針を示していた。すでに発行されたPOAPのトークンの記録自体はパブリックブロックチェーン上に記録されているため、運営終了後もオンチェーン上に残るとみられる。ただし今回の投稿では、同構想の今後や、既存POAPの閲覧機能、API、メタデータなどの提供をいつまで継続するかについては言及されていない。

画像:PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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