米サークルのL1「Arc」、メインネット初日のDEX取引高4.1億ドル。82%がミームコイン関連

Arcの初日のDEXではミームコイン取引が先行

米サークル(Circle)が手がけるレイヤー1ブロックチェーン「アーク(Arc)」で、パブリックメインネット公開初日(9月16日)の分散型取引所(DEX)取引高の約82%を、ミームコインのローンチパッド関連取引が占めた。オンチェーン分析を行うアダム・テック(Adam Tehc)氏が9月17日に報告した。

アークは、米ドル建てステーブルコイン「USDC」を発行するサークルが、金融市場やリアルタイムの資金移動などに向けて手がけるブロックチェーンだ。サークルはアークについて、決済や外国為替、取引、融資、資産発行などでの利用を想定していると説明している。

アダム氏がオンチェーンデータ分析プラットフォーム「デューン(Dune)」で集計したデータでは、同日のアークにおけるDEX取引高は約4億1,082万ドル(約647億円)だった。このうちミームコインのローンチパッド関連が約3億3,626万ドル(約529億円)、その他のDEX取引が約7,456万ドル(約117億円)だった。

ローンチパッドとは、暗号資産(仮想通貨)などのトークンを発行し、市場での取引を開始するためのサービスだ。アダム氏の集計では、アークで初日に9万7,025種類のトークンが発行された。このうち8万3,751種類が、ローンチパッド「アーガスパッド(Arguspad)」を通じて発行された。

アーガスパッドの初日の取引高は約2億235万ドル(約319億円)だった。これはアーク全体のDEX取引高の約半分に相当する。

サークルによると、アークでは取引手数料をUSDCで支払えるほか、1秒未満で取引を確定できる。メインネット公開時点では100以上のアプリケーションが参加し、100以上の機関・エコシステム事業者がネットワークに加わった。

またサークルは、ブラックロック(BlackRock)、ビザ(Visa)、マスターカード(Mastercard)、DTCC、ICEなどをアークの初期バリデータに選定している。分散型金融(DeFi)分野では、アーベ(Aave)、モルフォ(Morpho)、ユニスワップ(Uniswap)などのプロトコルもメインネット公開時から利用可能となった。

なお、アダム氏のデータが対象とするのはアーク上のDEX取引であり、USDCの送金や決済などを含むネットワーク全体の利用状況を示すものではない。またパブリックメインネット公開初日のデータに限られるため、ミームコイン関連取引が今後も同様の割合を占めるかは不明だ。

金融向けチェーンで投機取引先行、Robinhood Chainでも

米金融サービス企業ロビンフッド(Robinhood)が展開する「ロビンフッド・チェーン(Robinhood Chain)」でも、メインネット公開初期のDEX市場でミームコイン取引が大きな割合を占めた。

ロビンフッド・チェーンは今年7月1日にメインネットを公開したイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2ブロックチェーンだ。ロビンフッドは同チェーンを、株式などの現実資産(RWA)をトークン化し、オンチェーンで取引や運用ができる金融インフラとして設計した。

ロビンフッド・チェーンではメインネット公開後にミームコイン取引が活発化し、7月8日には日次DEX取引高が約5億8,110万ドル(約915億円)を記録した。9月1日には約15億9,500万ドル(約2,511億円)に達した。

一方、アダム氏がデューンで公開するデータでは、ロビンフッド・チェーンにおける株式トークンなどRWAのオンチェーン取引も8月下旬から増加した。この時期には、株式トークンをミームコインの取引ペアとして利用する市場も拡大した。

アークとロビンフッド・チェーンでは、ネットワークの構造や対象とする金融サービスが異なるため、単純には比較できない。ただし両チェーンは金融サービスを主要用途として設計された一方、メインネット公開初期のDEX市場ではミームコイン関連取引が大きな割合を占めた。

アークでも今後、ステーブルコイン決済や外国為替、トークン化資産など、サークルが想定する金融用途へオンチェーン活動が広がるかが注目される。

 画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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