ロビンフッド・チェーン、日次DEX取引高15億ドル突破、ミームコイン需要で収益も急増

7月の急増からさらに取引規模が拡大

米金融サービス企業ロビンフッド(Robinhood)が展開するレイヤー2ブロックチェーン「ロビンフッド・チェーン(Robinhood Chain)」で、分散型取引所(DEX)の取引高やチェーン収益が急増している。オンチェーンデータから9月3日に確認できた。

ロビンフッド・チェーンのDEX取引高は9月1日に約15億9,500万ドル(約2,552億円)を記録した。オンチェーンデータ分析サイト「デファイラマ(DeFiLlama)」によると、8月28日時点では約9億8,900万ドル(約1,582億円)だったため、数日間で約61%増加した。

また同チェーンのDeFiにおける預かり資産総額(TVL)は、9月1日時点で約7億3,811万ドル(約1,181億円)となった。7月31日時点では約3億5,827万ドル(約570億円)だったため、約1カ月で2倍超に拡大した。

ロビンフッド・チェーンは、ロビンフッドが今年7月1日にメインネットを公開したイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2ブロックチェーンだ。レイヤー2スケーリングソリューション「アービトラム(Arbitrum)」の「アービトラム・プラットフォーム(Arbitrum Platform)」を用いて構築されている。株式などの現実資産(RWA)をトークン化し、オンチェーンで取引や運用ができる金融インフラとして設計されている。

「あたらしい経済」では今年7月、ロビンフッド・チェーンのDEX取引高が7月8日に約5億8,110万ドル(約940.5億円)を記録したことを報じていた。当時は前日比で約14.5倍に急増しており、ミームコイン取引の活発化が取引高を押し上げたとみられていた。

その後もミームコインを含む取引活動は拡大している。オンチェーン分析を行うアダム・テック(Adam Tehc)氏が、オンチェーンデータ分析プラットフォーム「デューン(Dune)」で公開するダッシュボードでは、ロビンフッド・チェーン上のDEXを利用するアクティブウォレット数は、直近でも7月中旬に記録したピークを上回っていない。

一方、ミームコインなどを発行するローンチパッドでの取引も活発化している。トークン発行プラットフォーム「ポンズ(Pons)」の発表では、稼働開始から2カ月未満で累計取引高が45億4,000万ドル(約7,264億円)を突破したとのこと。

同ダッシュボードでは、株式トークンなどのRWAのオンチェーン取引も8月下旬から増加している。特に株式トークンとミームコインを組み合わせた取引が拡大しており、8月末から9月初旬にかけて株式関連の取引高を大きく押し上げた。

これらのデータから、足元ではDEXを利用するウォレット数そのものの急増よりも、既存ユーザーを含む取引活動の活発化が取引高を押し上げているとみられる。

チェーン収益も急増、アービトラムの新たな収益源に

こうした取引活動の拡大は、ロビンフッド・チェーンの収益にも表れている。暗号資産(仮想通貨)データ分析プラットフォーム「トークン・ターミナル(Token Terminal)」のデータでは、同チェーンの収益は7月の約360万ドル(約5.8億円)から、8月には約660万ドル(約10.6億円)へ増加した。ここでいう収益は、ロビンフッドの会計上の売上高ではなく、トークン・ターミナルが算出するブロックチェーンの収益を指す。

デファイラマのデータでは、9月1日にロビンフッド・チェーンで約375万ドル(約6億円)の手数料が発生し、過去最高を記録した。

ロビンフッド・チェーンの収益拡大は、同チェーンの技術基盤を提供するアービトラムの収益にもつながる。ロビンフッド・チェーンを含む対象チェーンでは、「アービトラム・エクスパンション・プログラム(Arbitrum Expansion Program:AEP)」を通じて、純プロトコル収益の10%がアービトラムエコシステムへ還元される仕組みとなっている。

ロビンフッド・チェーンがメインネットを公開した7月には、AEPによるライセンス料が36万ドル(約5,760万円)となった。これは同月のアービトラムDAO(ArbitrumDAO)の収益の35%を占めた。

なお、アービトラム財団(Arbitrum Foundation)が公開したレポートによると、アービトラムDAOが今年上半期に計上した収益は619万ドル(約9.9億円)だった。収益源にはアービトラム・ワン(Arbitrum One)の取引手数料、トランザクションの優先処理権をオークションする「タイムブースト(Timeboost)」、AEPのライセンス料、トレジャリー運用による収益が含まれる。

この619万ドルは、今年1月から6月までにアービトラムDAOへ帰属した収益だ。そのため、7月1日にメインネットを公開したロビンフッド・チェーンの稼働に伴うAEP収益は含まれていない。

ただし、トークン・ターミナルが算出するロビンフッド・チェーンの収益と、アービトラムDAOへ帰属する収益は異なる指標であり、両者は単純比較できない。一方、ロビンフッド・チェーンの純プロトコル収益の一部はAEPを通じて純プロトコル収益の一部が還元されるため、ロビンフッド・チェーンの収益拡大はアービトラムDAOの収益増加につながる可能性がある。

もしロビンフッド・チェーンが現在の収益水準を維持した場合、AEPを通じた収益還元も拡大し、アービトラムDAOの今年下半期の収益が上半期から大幅に増加する可能性がある。

 

参考:アービトラム 
画像:PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
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ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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