メルセデス・ベンツのDaimler AGとOcean Protocolが概念実証(PoC)完了の発表

メルセデス・ベンツのDaimler AGとOcean Protocolが概念実証(PoC)完了の発表

シンガポールに拠点の分散型データ交換プロトコルであるOcean Protocol(オーシャンプロトコル)がメルセデス・ベンツなどのブランドを有するドイツ自動車メーカーのDaimler AG(ダイムラー)と共同の概念実証(PoC)を完了したことを発表した。このPoCはDaimler AGが所有する世界の生産拠点と部品調達パートナーを結ぶサプライチェーンで、販売データや財務データなどを共有できるかを問うために行われた。

Daimler AGは国際的な事業展開をしているため、すべてのビジネスユニットがDaimler AG内部および外部のサービスパートナーとのデータ共有エコシステムに参加することが必須であるとのこと。よってDaimler AGは企業構造全体で簡単に様々なデータを共有する必要があり、オンボーディング、ユーザー認証、データ共有を有効にしながら、セキュリティを確保し、参加企業がデータの管理を維持できるようにするために分散型テクノロジーの活用を試みたとのことだ。

Ocean ProtocolのファウンダーであるBruce Pon(ブルース・ポン)氏は「ブロックチェーン技術がいかにしてデータ共有を解き放ち、業務をより効率的にするかについて明確なビジョンを持っているダイムラー社に、このPoCを提供できたことを光栄に思います。このPoCによって、ダイムラーは自動車業界での継続的なリーダーシップを証明することができました」とコメントしている。

Daimler AGのITテクノロジー&クロスファンクションズのバイスプレジデントであるHartmut Mueller(ハルトムート・ミューラー)氏は「私たちはブロックチェーンの力でデータの価値を分散化することができると信じています。データドリブン企業への道を歩む私たちの旅の中で、Ocean Protocolとのコラボレーションにより、安全なエンタープライズB2Bデータマーケットプレイスを構築し、データを収益化して活用することが可能になりました」とコメントしている。

編集部のコメント

このPoCでDaimler AGが活用したOcean Protocolのエンタープライズデータマーケットプレイスは、データ共有とデータの収益化を最大化するために、あらゆる業種の企業向けにカスタマイズ可能なエンドツーエンドソリューションとして提供されています。

そして今回の概念実証のポイントは、Daimler AGに精通した人物が関係していることに大きな意味があると思われます。Coindeskの報道によれば、Ocean ProtocolのファウンダーであるBruce Pon(ブルース・ポン)氏は、過去にダイムラーのIT部門に5年間勤務した経験があるとのことです。内部をよく知る人物が、外部からデジタルトランスフォーメーションを実現するのは非常に良い循環だと考えられます。人材の流動性が高まり、今回の実証実験のようなケースが増えていくのは良いことなのではないでしょうか。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)

(images:iStock/Nelli-Velichko)

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あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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