SBI、米ガントレットの約202億円調達を主導。暗号資産・DeFi市場のリスク管理技術統合へ

オンチェーン金融のリスク管理基盤を強化

SBIホールディングスが、米国のデジタル資産リスク管理企業ガントレット・ネットワークス(Gauntlet Networks)へ出資したと7月10日に発表した。ガントレットが実施した総額1億2,500万ドル(約202億円)のシリーズC資金調達ラウンドを、SBIの米国子会社SBIホールディングスUSA(SBI Holdings USA)を通じて主導した。ガントレットも7月9日に同ラウンドの完了を発表している。

ガントレットは、暗号資産(仮想通貨)やDeFi(分散型金融)市場におけるリスク管理と資本運用の最適化を手がける企業だ。投資家が設定した運用条件に基づき、リスクとリターンを最適化する仕組み「ボールト(Vaults)」を提供している。

ボールトでは、利用者から預け入れられた資産の運用先や配分を、定量的なリスク分析に基づいて調整する。ガントレットは世界の主要なデジタル資産市場でボールトを運営しており、ボールトに預け入れられた総額15億ドル(約2,423億円)超の資産について運用先の選定や配分を行っている。また、150を超えるフィンテック企業や金融機関と連携しているという。

ガントレットは今回の調達資金を、主に3つの分野へ充てる。1つ目は、従来型資本市場における同社の役割を広げるインフラの強化だ。現在対応する米ドルおよびユーロ建てステーブルコインに加え、メキシコペソや日本円など、他の法定通貨建てステーブルコインへの対応を進める。

2つ目は、AIを活用して業務運営を効率的に拡張しながら、グローバルチームを拡充すること。3つ目は、新たなオンチェーン商品・サービスの立ち上げを支援し、その成長を加速させるための戦略的な資金投入だ。

ガントレット共同創業者兼CEOのタルン・チトラ(Tarun Chitra)氏は、ボールトを金融市場における次の大きな変革と位置付けている。同氏は、ETF(上場投資信託)が米国株式市場への参加を広げたのと同様に、トークン化とボールトによって、今後数年間、DeFi市場の規模がステーブルコイン市場全体を上回るペースで拡大するとの見方を示した。

SBIは今回の出資を、従来型金融サービスと次世代のデジタル金融インフラを接続する長期戦略の一環と伝えている。SBIホールディングス代表取締役会長兼社長の北尾吉孝氏は、伝統金融からオンチェーン金融への移行が進む中、投資家が安心して参加するための信頼性と透明性の確保が重要になると説明。ガントレットのリスク管理・最適化技術が、デジタル資産の普及に欠かせない機能になるとの考えを示している。

またSBIは、本出資を通じてガントレットの高度なリスク管理技術をSBIグループのネットワークに統合し、グローバルなオンチェーン・エコシステムの発展に寄与していくとしている。

また北尾氏は、米国で2025年7月に成立したステーブルコイン規制法「GENIUS法」や、2026年5月に上院銀行委員会を通過した暗号資産市場構造法案「CLARITY法案」など、規制整備が進む中、ガントレットとともに日本、アジア、世界をつなぐ次世代金融インフラの構築を目指すとコメントしている。

SBIは今回の発表に先立つ7月8日にも、機関投資家向けデジタルアセット市場インフラを提供するEDXマーケッツ(EDX Markets)が実施した総額7,600万ドル(約123.4億円)のシリーズC資金調達ラウンドに、リード投資家として参画したと発表している。EDXは、機関投資家専用の取引所と中央清算機関を組み合わせ、暗号資産の取引・清算・決済機能などを提供する企業だ。

SBIはEDXとの連携を通じて、機関投資家向け市場インフラを強化するとともに、ステーブルコインやデジタル証券など、SBIグループが進めるデジタルアセット事業とのシナジー創出を図るとしている。

参考:ガントレット
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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