TORICOがETHの「ターゲットバイイング戦略」開始
東証グロース市場上場でイーサリアム(ETH)トレジャリー事業を進めるトリコ(TORICO)が、ETHの取得プロセスでプットオプションを活用する「ターゲットバイイング戦略(Cash Secured Put)」の開始を5月7日に発表した。
この取り組みは、2月12日に発表されたSBI VCトレードとのETH取引・保管・運用に関する協業の一環だという。トリコは、SBI VCトレードが大口顧客向けに提供する特別サービス「SBIVC for Prime」を活用。同戦略もSBI VCトレードとの連携により開始された。
トリコはターゲットバイイング戦略により、同社が推進する事業モデル「稼ぐトレジャリー(DAT 2.0)」を、ETHの取得段階にまで広げる狙いがあるという。
同戦略は、あらかじめ円資金を口座に入金したうえでETHのプットオプションを売却し、あらかじめ定めた価格でETHを取得する義務を引き受ける代わりに、オプションプレミアムを受け取る取引とのこと。
同戦略では、売却するETHプットオプションの行使価格について、市場価格付近を中心に設定するという。また、ETHの取得ペースやオプション市場環境を踏まえ、市場価格より低い水準の行使価格も機動的に組み合わせるとのこと。
同オプションの満期は1週間を基本とし、市場環境や収益機会に応じて延長される。オプションの形式は、満期日にのみ権利行使の判定が行われるヨーロピアン形式となる。建値通貨はETH/JPY、決済資金通貨は日本円で、カウンターパーティはSBI VCトレードとなる。
TORICOは新規に調達する円資金について、市場環境、ETH価格、ボラティリティ水準、SBI VCトレードから提示されるインディケーション(参考価格)、ETH取得進捗を総合的に踏まえる。そのうえで、現物ETHの即時購入に充てる資金と、週次オプション売却に係る決済資金への配分を判断するとのこと。
満期時に市場価格が行使価格を下回り、オプションが行使される状態となった場合には、行使価格でETHを取得し、同社のトレジャリーに組み入れるという。
一方、満期時にオプションが行使されない状態となった場合には、TORICOは拘束されていた円資金を回収する。その後、受領したオプションプレミアム収益とあわせて、翌週以降のオプション売却または現物ETH購入に再配分するとのこと。
TORICOはリスクとして、オプション行使によりETHを取得した後、ETH価格がさらに下落した場合、取得したETHの評価額が取得価格を下回る可能性を挙げている。また、ETH価格が大きく上昇した場合には、プットオプションが行使されず、現物ETHの購入機会を一時的に逃す可能性があるとのこと。
なお同社は、取得したETHをトレジャリー資産として中長期的に保有・活用する方針であり、本戦略は短期的な売買損益の獲得を目的とするものではないとも説明している。
参考:トリコ
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