東京都、円建てステーブルコインの社会実装支援へ。最大4000万円補助

東京都、円建てステーブルコインの社会実装を支援

東京都が、円建てステーブルコインの社会実装に向けた支援制度を開始する。円建ての活用事例を創出する事業者に対し、最大4,000万円の補助金の公募を4月17日に開始した。

東京都が公開した制度概要によると、本事業は「ステーブルコイン社会実装促進事業」として実施される。新たな決済インフラとして期待されるステーブルコインの健全な市場形成を促進し、ユースケース創出を通じて社会実装を後押しすることを目的とする。

同制度では、対象となるのは円建てステーブルコインのユースケース創出に取り組む事業者で、補助率は対象経費の3分の2とされている。外部システムの利用料や専門家への相談、監査費用、システム開発費などが対象となる。なお、ステーブルコインの発行そのものは補助対象外とされている。

募集期間は今年4月17日から6月30日までで、東京都は本制度を通じて円建てステーブルコインの流通拡大を図る方針だ。

ステーブルコインは、主に法定通貨の価値に連動させ、現金・預金・短期国債などの準備資産を裏付けとして一定価値を維持するように設計された、ブロックチェーン上で発行・移転されるトークンの一種。法定通貨以外の金や暗号資産(仮想通貨)に裏付けられるものや、需要調整で価格安定を図るアルゴリズム型も存在する。日本では、このうち法定通貨連動・額面償還型を中心とする一定の類型が「電子決済手段」として規制されている。

国内における円建てステーブルコインの取り組みとしては、すでに複数の事例が存在する。例えば、JPYC(JPYC)が発行する日本円建てステーブルコイン「JPYC」は、日本における初の電子決済手段として昨年10月27日に発行開始されている。

またSBIホールディングス(SBI Holdings)とスターテイルグループ(Startale Group)は現在、信託会社・信託銀行により発行される「3号電子決済手段(特定信託受益権)」となる「JPYSC」の共同開発を進めている。

さらに三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクは、円やドルなどの法定通貨に価値を連動させるステーブルコインの共同発行を検討している。今年2月には、金融庁から3メガバンクを加えた大手証券会社らによるステーブルコインを活用した株式決済の実証実験について、支援する方針が示された。

今回の取り組みについて、円建てステーブルコインJPYCを提供するJPYC(JPYC)の代表取締役である岡部典孝氏は、自身のXアカウントで言及し、都による利活用推進の動きを歓迎する姿勢を示している。

今回の東京都の取り組みは、発行体ではなく「利用」に焦点を当てた点が特徴とみられる。今後、円建てステーブルコインの実利用がどこまで広がるかが注目される。

参考:Jグランツ
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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