ArbitrumがArbOS Diaをリリース
イーサリアム(Ethereum)のレイヤー2(L2)ブロックチェーン「アービトラム(Arbitrum)」が、1月8日に「ArbOS Dia」アップグレードをリリースし、手数料の価格設定メカニズムを大幅に改善した。
このアップグレードでは、EIP-1559方式のL2基本手数料(ベースフィー)の制御ロジックが刷新された。従来は単一の目標値と調整ウィンドウで価格を算出していたが、ArbOS Diaでは6つの目標値と調整ウィンドウの組み合わせを導入し、それぞれが算出した価格の積をユーザーへの最終的な手数料として提示する仕組みとなった。
この変更により、短い調整ウィンドウが急激な需要増加に素早く対応し、長い調整ウィンドウがネットワークの長期的な安定性を担保するという、いわば「ショックアブソーバー(振動減衰装置)」のような動作を実現する。これにより、需要の急増時における手数料の急騰が抑制され、アプリケーションやユーザーにとってより予測可能な利用環境が提供されるという。
また同アップグレードでは、L2の最低基本手数料(ミニマムベースフィー)が0.01gweiから0.02gweiに引き上げられた。これはスパム的な利用を抑制し、長期的なネットワーク経済の持続可能性を高めることを目的としている。
なおアービトラムが目指す「動的価格設定(Dynamic Pricing)」とは、CPUやストレージなど複数のハードウェアリソースのボトルネックに応じて手数料を柔軟に変動させる仕組みだ。これはイーサリアムコミュニティで「多次元ガス価格設定(Multidimensional Gas Pricing)」とも呼ばれる方向性と一致している。
ArbOS Diaではさらに、トランザクションのガス使用量を計算量・ストレージアクセス・ストレージ増加・履歴増加といった複数のリソース種別に分けて計測・記録する機能も追加された。ただし今回は計測と記録の基盤整備にとどまり、完全な動的価格設定モデルの有効化は今後の段階で実施される予定だ。
動的価格設定が完全実装されると、特定のリソースがひっ迫した際にはそのリソースを多く消費するトランザクションに対してのみ強い価格圧力がかかる仕組みとなり、逆にリソースに余裕がある場合は不必要な価格上昇が生じない設計となる。これにより、ハードウェアやソフトウェアの性能改善が持続可能なスループット向上に直結しやすくなるという。
アービトラムは同時に、ネットワークの複数クライアント対応(マルチクライアント)も推進しており、「ネザーマインド(Nethermind)」や「エリゴン(Erigon)」などの追加クライアントチームとの協力を進めている。動的価格設定とマルチクライアント対応はいずれもスケーリングの持続可能性を高める取り組みとして、同一のプラットフォーム戦略の一環と位置づけられている。
Predictable fees are a non-negotiable for enterprises and their users, no matter how heavy traffic is.
— Arbitrum (@arbitrum) March 2, 2026
The recent Arbitrum Platform Upgrade made it possible for Arbitrum One to keep fees low and smooth during periods of high demand.
Learn about the impacts:…
参考:アービトラムブログ
画像:PIXTA