パオテックラボ、モルフォで「JPYC」のレンディング市場公開

JPYCのDeFi活用がグローバルで進展

分散型金融(DeFi)インフラチームの「パオテックラボ(PAO TECH Labs)」が、日本円連動型ステーブルコイン「JPYC」のレンディング市場および関連ボールト(Vault)を公開したと1月28日に発表した。

レンディング市場は、レンディングプロトコル「モルフォ(Morpho)」上で提供されるという。これにより、ユーザーは「USDC」、「WETH」、「WBTC」を担保にJPYCを借り入れる、またはJPYCを供給して利回りを得ることが可能になる。

この取り組みは、パオテックラボが推進してきた「JPYCのDeFiエコシステム構想」の一環だ。同社は昨年11月にJPYCをグローバルなオンチェーン金融市場へ導入するため、貸借市場の開設やボールト構築を進める方針を明らかにしていた。今回のモルフォ上でのレンディング市場公開は、その第1フェーズに位置付けられる。

モルフォ上のJPYCレンディング市場は、マーケットごとに担保資産と借入資産が分離された「アイソレート市場」として設計されている。各市場では借入資産はJPYCのみとし、担保はUSDC、WETH、WBTCのいずれか単一資産に限定される。市場ごとにリスクパラメータが固定され、他市場へ波及しない構造となっている。

パオテックラボによると、初期担保をUSDC、WETH、WBTCに限定したのは、オンチェーン流動性や価格インフラが成熟しており、ストレス局面でも清算挙動が比較的予測しやすいためだという。JPYCのオンチェーン流動性が成長する過程において、清算の確実性と資本保全を優先した設計を採用したとしている。

今回のローンチには、「ステーキハウス・パオテック・JPYCボールト(Steakhouse–PAO TECH JPYC Vault)」も含まれる。同ボールトは、ステーキハウス・ファイナンシャル(Steakhouse Financial)とパオテックラボが共同でキュレーションを行い、ボールト(MetaMorpho)はキュレーターが複数のモルフォ市場への配分・リバランスを行い得る仕組みに基づいて運用される。

パオテックラボは、JPYCを日本円建てのオンチェーン資産として機能させることを目指し、日本人メンバーが経営に関与する形でDeFiインフラの設計やリスク管理を進めてきた。同社CEOの高橋基希氏は、東証グロース上場企業「トリコ(TORICO)」が設立した暗号資産投資子会社「トリコ・イーサリアム(TORICO Ethereum)」のCOOも務めている。

パオテックラボは今後、JPYCを担保として暗号資産(仮想通貨)を借り入れる市場や、JPYCを起点とした戦略型ボールトの展開も計画しているとしており、JPYCを基軸とした円建てDeFiインフラの拡張を段階的に進めていく方針だ。

なお、JPYCを取り扱うJPYC社は、昨年8月18日付で資金決済法に基づく「資金移動業者(第二種)」の登録を得ている。JPYCの活用を巡っては、JPYC社と各パートナーが連携をしながら段階的に進んでいる。今回のモルフォ上でのレンディング市場公開は、円建て流動性をグローバルなオンチェーン市場へ接続する動きとして位置付けられる。

参考:プレスリリース
画像:iStocks/wvihrev

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

バイナンス創業者CZ、「ハードウェアウォレットにもバグがある」と発言。コールドカード問題受け

バイナンス(Binance)創業者のチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao:CZ)氏が、ビットコイン(Bitcoin)向けハードウェアウォレット「コールドカード(COLDCARD)」の脆弱性問題を受け、8月1日から8月3日にかけて、セルフカストディ(Self Custody)の課題や資産管理の考え方について自身の見解を相次いで投稿した

リップルの米ドルステーブルコイン「RLUSD」、韓国4取引所で取引可能に。アップビット・ビッサムなど

米ドル裏付け型ステーブルコイン「リップルUSD(RLUSD)」が、韓国の暗号資産(仮想通貨)取引所アップビット(Upbit)、ビッサム(Bithumb)、コインワン(Coinone)、コービット(Korbit)で取引可能になった。リップルのステーブルコイン部門シニアバイスプレジデントで、スタンダード・カストディ(Standard Custody)のCEOを務めるジャック・マクドナルド(Jack McDonald)氏が7月30日にXで報告した