ナスダック上場企業ソネットバイオ、HYPE財務戦略で新会社「ハイパーリキッドストラテジーズ」設立へ

Sonnet BioTherapeuticsが米国初のHYPE保有上場企業へ

ナスダック上場のバイオテクノロジー企業ソネットバイオセラピューティクス(Sonnet BioTherapeutics)が、暗号資産「HYPE」のトレジャリーリザーブ戦略を開始するため、8億8,800万ドル規模の企業結合をすると7月14日に発表した。

ソネットバイオは、米暗号資産(仮想通貨)特化のベンチャーキャピタルであるパラダイム(Paradigm)の関連企業アトラスマーチャントキャピタル(Atlas Merchant Capital)とそのスポンサーによる新会社ロールシャッハ(Rorschach I)と企業結合する予定だ。

この取引完了後、新たにハイパーリキッドストラテジーズ(Hyperliquid Strategies Inc:HSI)が設立される。同社は、米国を拠点とする上場企業としてHYPEトークンを保有する最大級の企業になるとのことだ。

HSIは約1,260万HYPEトークンを保有する予定で、これは企業結合の合意書締結直前の現物価格に基づいて5億8,300万ドル相当の価値を持つという。これに加えて最低3億500万ドルの現金投資により、総想定クロージング価値は8億8,800万ドルとなるとのこと。

この取引にはパラダイム(Paradigm)、ギャラクシーデジタル(Galaxy Digital)、パンテラキャピタル(Pantera Capital)、D1キャピタル(D1 Capital)、リパブリックデジタル(Republic Digital)、683キャピタル(683 Capital)などの戦略的投資家が参加している。HSIは企業結合完了後、新しいティッカーシンボルでナスダック・キャピタル・マーケットに上場し、公開暗号資産トレジャリー企業となる。

企業結合完了時には、アトラス(Atlas)の共同創設者兼CEOのボブ・ダイアモンド(Bob Diamond)氏がHSIの取締役会長に、アトラスのCIO兼共同創設者のデイビッド・シャミス(David Schamis)氏が同新会社CEOに就任する。また元ボストン連邦準備銀行総裁のエリック・ローゼングレン(Eric Rosengren)氏を含む新しいメンバーが新会社の取締役会に加わる予定だ。

ダイアモンド氏は「株主に強い価値を提供するために、HYPEをトレジャリー管理戦略に統合した先進的な暗号資産トレジャリー管理戦略を確立する機会に喜んでいる」とコメントした。またパラダイムの共同創設者マット・ファン(Matt Huang)氏は「ハイパーリキッドに対する機関投資家の需要は高いが、米国ではネイティブトークンのHYPEへのアクセスが困難だ」と語っている。

企業結合完了後、ソネットはHSIの完全子会社として運営され、臨床試験中の治験薬「SON-1010」の開発を含む既存資産と事業ラインに引き続き集中する。バイオテック資産に関しては、ソネットの普通株主およびその他の持分証券保有者は企業結合完了時に条件付き価値権(CVR)を受け取る。

なお取引前には、ロールシャッハ(Rorschach)とその他の新規投資家がHSIの約98.8%を、ハイプおよびブリッジ投資家を含むソネットの既存株主が残りの約1.2%を所有することが予想される。企業結合は両社の取締役会で承認済みで、ソネット株主の承認などの条件を満たした上で、今年後半に完了予定だ。

HYPEはレイヤー1ブロックチェーンのハイパーリキッドのネイティブトークンで、カスタムコンセンサスアルゴリズムのハイパーBFT(HyperBFT)で使用される。同ブロックチェーンは現在毎秒約20万件の注文をサポートする完全オンチェーンの永久先物とスポット注文帳を含むハイパーコア(HyperCore)と、汎用スマートコントラクトプラットフォームのハイパーEVM(HyperEVM)で構成されている。

参考:ソネットプレスリリース
画像:iStocks/olegback・Who_I_am

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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