「ビットコイン都市」構想へ一歩前進
ブラジル・ミナスジェライス州の州都ベロオリゾンテ市議会が、同市を「ビットコインの首都」と宣言する法案「PL 124/2025」を第一読会で5月7日可決した。現地メディア「ライブコイン(Livecoins)」が5月10日報じている。
この法案は、 自由党(PL)の市議会議員ヴィレ・サントス(Vile Santos)氏によって提案され、34人中20人が賛成、8人が反対、6人が棄権して可決された。
なお、この法案は象徴的なものであり、ビットコインに関する法的権限や金融システムの規制を変更するものではない。ベロオリゾンテ市をイノベーションと経済的自由の拠点として位置づけ、地域の起業家エコシステムの価値向上など、暗号資産分野の発展を促進することを目的としている。
今回の可決により、ベロオリゾンテ市は以下のような取り組みを進める可能性がある。
まずは「金融教育とデジタル包摂」だ。この取り組みでは、学校、大学、技術センターとの提携を通じて市民へのビットコインや暗号資産に関する教育を強化し、デジタル経済への理解を深める。
次に「起業家精神とイノベーションの支援」では、ブロックチェーン技術を活用したスタートアップやプロジェクトへの支援を行い、イノベーションを促進する。
さらに「イベントと投資の誘致」として、Web3や分散型金融(DeFi)に関連する会議やイベントを開催し、国内外から人々を誘致してホテル業界、飲食店、サービス業を活性化させることも目指している。
また「研究開発の促進」にも取り組むとしており、ブロックチェーン技術が公共行政、都市交通、医療、教育などに与える影響を研究する地元のイニシアチブを支援するとしている。
ベロオリゾンテ市は、ブラジルにおけるビットコインエコシステムの発展において歴史的に重要な役割を果たしてきた。
2012年に設立されたビットコイン取引所「ビットコイントゥーユー(BitcoinToYou)」や、2013年設立の「メルカドビットコイン(Mercado Bitcoin)」はいずれもベロオリゾンテで誕生しており、同市はブラジルで最初のビットコイン取引所の設立地となった。
また2013年には、ベロオリゾンテ市のホテル「オウロ・ミナス」において、ブラジル初のビットコインに関する全国会議が開催された。当時はこのテーマがまだ一般にはほとんど知られていなかった時期であり、愛好家、開発者、投資家たちが一堂に会したという。
参考:報道
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