ADQらがディルハム建てステーブルコイン発行を計画
アブダビの政府系ファンドADQ、コングロマリットIHC、アラブ首長国連邦(UAE)資産規模最大の金融機関であるファースト・アブダビ銀行(FAB)が、ディルハム(AED)に裏付けられた新たなステーブルコインの発行計画を4月28日に発表した。このステーブルコインは、UAE中央銀行(CBUAE)の完全な規制下で運用され、FABが発行主体となる予定。ただし規制当局の承認が前提だ。
この新しいステーブルコインは、日常的な取引から企業間の決済、さらにはAIやマシン・トゥ・マシン(M2M)取引などの先進的なユースケースに対応することが目的だという。また、UAE発のADIブロックチェーン上で運用され、信頼性と透明性を確保する設計となっているとのこと 。
UAEは、デジタル資産分野での世界的なハブを目指しており、2023年3月には「デジタル・ディルハム」戦略を開始し、ステーブルコインに関する規制枠組みを導入した。この取り組みの一環として、2024年12月には、ディルハムに裏付けられた最初のステーブルコイン「AE Coin」が中央銀行の承認を受け、発行されている 。
さらに、2025年3月には、アブダビ政府系の投資会社MGXが、世界最大の暗号資産(仮想通貨)取引所であるバイナンスに対して20億ドル(当時約2,965億円)の投資を行っている。この投資は、ステーブルコインを通じて行われ、バイナンスにとって初の機関投資家からの出資となっていた 。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Abu Dhabi doubles down on crypto as wealth fund, FAB, IHC join forces for new stablecoin
(Reporting by Federico MaccioniEditing by Tomasz Janowski)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters