Offchain Labs、新たな不正行為証明「Arbitrum BOLD」をメインネットローンチ

Offchain Labsが「Arbitrum BOLD」をメインネットローンチ

イーサリアム(Ethereum)のレイヤー2スケーリングソリューション「アービトラム(Arbitrum)」を開発する「オフチェーンラボ(Offchain Labs)」が、新たな不正行為証明プロトコル「BOLD:Bounded Liquidity Delay」のメインネットローンチを2月13日に発表した。

「BOLD」はネットワーク上で「パーミッションレス(許可なし)検証」を可能にし、ネットワークのセキュリティと分散化を向上させるプロトコル。昨年4月にテストネットでローンチしていた。

アービトラムは、「オプティミスティックロールアップ(Optimistic Rollups)」を採用したL2ブロックチェーンだ。「オプティミスティックロールアップ」は計算と状態の保存をオフチェーンで行うことでスケーリングの問題を解決する。

この処理の際、オフチェーンで処理されたトランザクションが有効であることを前提とし、トランザクションの有効性証明は公開されていない(オプティミスティック=楽観的の名称の由来)。そのため不正なトランザクションが含まれている場合、ユーザーが不正証明を行い、異議申し立てを行うことで再度計算を行い状態の更新を実行する仕組みを導入することが、この処理には求められる。

しかし、異議申し立てを不必要に行うスパムへの対処や開発が難しいという理由からこの仕組みを導入できていない「オプティミスティックロールアップ」採用ブロックチェーンも少なくない。

アービトラムではこの仕組みをいち早く導入しており、「オフチェーンラボ」によってこれまでもいくつかの不正証明プロトコルの開発が進められていた。

ただしこれまでのアービトラムの異議申し立ては、すべてのユーザーが実行できるわけではなく、アービトラムの分散型自律組織(DAO)によって認められたユーザーのみが実行できるホワイトリスト制を採用していた。

今回メインネットローンチされた「BOLD」は、このホワイトリスト制を廃止し、誰でも異議申し立てを実行可能にする「パーミッションレス検証」が主な機能とのことだ。これによりネットワークのセキュリティが向上するだけでなく、エコシステムが更に分散化されることにも期待されている。

 画像:iStocks/your_photo

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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