ビットコインマイニングのMARA、米テキサス州の風力発電所を買収

MARAがテキサス州の発電所買収

世界最大のビットコイン(BTC)マイニング上場企業であるMARAホールディングス(MARA Holdings 旧:Marathon Digital Holdings 以下MARA)が、米テキサス州ハンスフォード郡の風力発電所の買収完了を2月18日に発表した。

この風力発電所は、240MW(メガワット)の送電容量と114MWの風力発電容量を有する施設だ。ただし発電所の名称や買収額は公表されていない。MARAは昨年12月にこの発電所の買収契約を締結していた。

MARAは今回買収した発電所を活用し、本来廃棄されるか中古市場に流通する予定だった旧世代のASICマイニング機器を再利用するという。

また、本来無駄になるはずだった風力エネルギーを100%再生可能エネルギーとしてマイニングに活用し、追加コストの発生しない電力を使用することで、ビットコインのマイニングを低コストかつ持続可能な方法で実施し、環境保護にも貢献するとのこと。

さらにMARAは、発電所の114MWの風力発電を100%活用した「ビハインドザメーター(BTM)型データセンター」を開発・運営するとのこと。BTMは、電力メーターの顧客側に配置されたエネルギー生成、貯蔵、管理システムのこと。

このデータセンターの運用により、発電した風力エネルギーを送電網(グリッド)から切り離すことで、グリッドの混雑を緩和するという。これによりMARAは、再生可能エネルギーの開発を促進するとともに、地域の電力需要創出を目指しているとのことだ。

なおMARAのサイトを確認すると同社が所有するデータセンターは16か所でマイナー数は306,198。コンピューティングパワーは53.2EH/sで合計メガワット数は1,023MWとのことだ。

MARAの会長兼CEOであるフレッド・ティール(Fred Thiel)氏は、今回の買収によりMARAは今回買収した発電所を含め合計136MWの発電容量を所有・運用していると発表にて説明している。これにより買収前のMARAの風力発電容量は22MWだったと推定される。

MARAはビットコインマイニング企業でありながら、企業としてビットコインの購入も進めている。同社は、2024年にビットコインを平均価格87,205ドル(約1,375万円)で22,065BTC購入し、ビットコイン総保有量が44,893BTCに達したことを今年1月3日に報告している。

参考:MARA 1MARA 2
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

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