クラーケン、約2年ぶりに米国でステーキングサービス提供再開

Krakenがステーキングサービス再開

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケン(Kraken)が、米国の37の州と2つの準州でオンチェーンステーキングサービスを提供開始したと1月30日発表した。同取引所による米国でのステーキングサービスは、約2年ぶりに再開したことになる。

同サービス対象地域のユーザーは、プロトレーダー向けプラットフォーム「クラーケンプロ(Kraken Pro)」にて、ETH、SOL、DOT、ADA等の17銘柄の暗号資産をステーキングできるとのこと。なお同社は、今後さらに多くの州でサービスを拡大するとしている。また今回提供されるステーキング方式は、暗号資産を一定期間ロックするボンディッドステーキング(Bonded staking)を採用しているという。

クラーケンによると、同社は2019年にオンチェーンステーキングを導入した最初の主要な中央集権型取引所(CEX)である。しかし、このステーキングサービスは証券登録をせずに提供・販売されたとして、米証券取引委員会(SEC)から告発され2023年2月に提供停止されていた。

またクラーケンはこの際、3,000万ドル(約39億円)をSECに支払うことで和解している。

ちなみにクラーケンは昨年10月に、イーサリアム(Ethereum)ベースのリステーキングプロトコル「アイゲンレイヤー(EigenLayer)」と統合し、ETHのリステーキングを提供開始している。今回ステーキングサービスが提供される米国の対象地域のユーザーは、このリステーキング機能も利用可能となるとのこと。

ユーザーは、クラーケンの「アイゲンレイヤー」ETHリステーキングを利用することで、同取引所でステーキングしたETHを再度ステーキングできる。また、クラーケンがサポートする「アイゲンレイヤー」上のアプリケーション「アクティブ検証サービス(Actively Validated Services:AVS)」からも報酬を得ることが可能である。

なおステーキングとは、コンセンサスアルゴリズムの「PoS(プルーフ・オブ・ステーク)」を採用するブロックチェーンで発行される暗号資産について、一定量のロックなどを行うことで取引記録のブロック生成プロセスに参加し、チェーンの安定稼働へ貢献することにより、報酬を獲得する行為。

またリステーキングとは、一度ステーキングされたものを、もう一度別の何かにステーキングする行為。リステーキングを通じてステーキングトークンのセキュリティ機能を引き出し、分散型ネットワーク全体の安全性が向上される。

参考:クラーケン
画像:iStock/ThinkNeo

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一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

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