BIS(国際決済銀行)がSTOや中央銀行デジタル通貨などに関する四半期レポートを発表

BIS(国際決済銀行)がSTOや中央銀行デジタル通貨などに関する四半期レポートを発表

BIS(国際決済銀行)が、セキュリティートークン、CBDCなどあらたなペイメント決済領域に関する四半期レポートを3月1日に発表。

現在、BISはセキュリティートークン、中央銀行デジタル通貨、クロスボーダー決済、など今後のペイメントシステムの基盤となりうる領域を深くリサーチしているとのこと。

BISリサーチ部門のトップHyon Song Shin(ヒョン・ソンシン)氏は「ペイメント領域の変化の速度がはやく、そして混乱を引き起こす可能性があることによって、政策立案者にとって、あらたなペイメントシステムを採用することが難しくなっているが、より正しいシステムを検討し、導入しなければならないと考えている」と記載している。

分散型台帳で発行される証券(セキュリティートークン)は、ポジティブな側面、ネガティブな側面が存在しているとのこと。ポジティブな側面としては、セキュリティートークンは決済サイクルを合理化する可能性が大いにあるとのこと。一方、ネガティブな側面としては、合理化することで仲介者を排除し、その結果、従来のサイクルに慣れ親しんだエンティティが混乱し大きく市場が乱れる可能性があるとのことだ ・特にクリアリングと決済において、分散台帳とスマートコントラクトの実用性が証明されていないことから、ネガティブな側面は引き起こされると考えているとのこと。

中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関して、BISは3種類のデザイン設計を示している。それは、Indirect CBDC(間接型・トークン型)、Direct CBDC(口座型、トークン型)、Hybrid CBDC(DLT上にノードとして市中銀行が存在した間接型・トークン型)とのこと ・BISはCBDCのネガティブな側面を示している。それは、CBDCのコンセンサスメカニズムが多くの場合、トランザクションスループットを低下させ、1日あたり数百万ドルの小額の支払いを負担しなければならないリテール決済に問題を引き起こす可能性があること。そして、DoS(Denial of Service)をあるノードが受ける可能性が拭えないということが挙げられている

編集部のコメント

BISの四半期レポートには、コルレス銀行やクロスボーダー決済のデータも記載されています。そのデータによれば、日本、アメリカ、中国などの経済大国では、コルレス銀行のニーズが減少していて、あらたなクロスボーダー取引のニーズが増加していることが明らかになっています。あらたなクロスボーダー取引は、DLT基盤の取引が開発、研究、実証実験が進められています。

今回のレポートで、多くの課題も指摘されていますが、課題がクリアになっているということは、その課題を解決すれば良いということです。つまり、DLT基盤のあらたなペイメントシステムは5年以内には、実装されるのではないかと、あたらしい経済編集部は考えています。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)

(images:Jackie-Niam)

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あたらしい経済 編集部

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