ザ・サンドボックスがDAO設立、メタバースの分散化目指し

「The Sandbox DAO」が設立

メタバース・Web3ゲームプラットフォーム「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」が、自律分散型組織(DAO)の立ち上げを5月28日発表した。

「ザ・サンドボックス」は今回のDAO立ち上げを「オープンメタバースの実現に向けた重要なマイルストーン」だとし、これによりユーザーはプラットフォームの決定と開発に参加できるようになったと説明している。

プレイヤーやオーナー(NFT保有者)、クリエイター、ブランドからなる「The Sandbox DAO」コミュニティは、「新しいゲームプレイやコミュニケーションツール(絵文字、ボイスチャットなど)、アバターユーティリティを含む製品の改善・要望」、「今後のイベントや報酬メカニズム」、「SANDとLANDの所有者が所有するLANDSやNFTの数に応じたプレイヤーステータスの定義」等に提案や投票が行えるようになった。

「ザ・サンドボックス」のCEO兼共同創設者であるアーサー・マドリッド(Arthur MADRID)氏は、「ゲームオープンメタバースは、クリエイター、プレイヤー、LANDオーナーといった全てのユーザーによって統治されなければならないと思う」とし、「ブロックチェーン技術は、完全な分散型システムによる意思決定と人々への権限委譲を可能にする。FortniteやRobloxもいずれ採用するだろう」と述べている。

「ザ・サンドボックス」はイーサリアムブロックチェーン上に構築されている、オープンワールドのNFTゲームだ。

「ザ・サンドボックス」では、仮想の土地「LAND(ランド)」を使ってメタバース上のビジネスの立ち上げや、ピクセルモデルを制作するボクセルアーティストとして活動するなど、様々な遊び方が可能だ。また、ランド上で建設した施設やゲームは、他のユーザーに有料・無料で提供することもできる。なおゲーム内通貨として流通するSANDは、NFTの購入やゲーム内のサービスを利用する際に使用できる。

分散化計画について

「ザ・サンドボックス」の分散化は2500万SANDのトレジャリー活用のもと、3段階で展開される。

5月28日に開始された第一段階では、SANDとLANDのオーナーは、彼らが信じ、実現することを望むサンドボックス改善提案(SIP)に投票できる。提出されたSIPは、DAOプロジェクトマネジメントチームによって精査され、提出者とのパートナーシップのもとでさらに調整する。同段階では、財務など一部の業務はまだ「ザ・サンドボックス」のスタッフによって管理されるが、「The Sandbox DAO」は独自の財源を持つという。

第二段階では、DAOに自律性を持たせるという。結果として「The Sandbox DAO」は自立し、「ザ・サンドボックス」の管理スタッフに依存せず運営されていくという。

第三段階では、SIPを提案し投票する権限を与え、フェーズ1に似た分散型の意思決定プロセスを促進するものの、SIPはより分散化され、キュレーションプロセスは減少するという。コミュニティメンバーによって提案されたSIPはコミュニティ投票にかけられ、DAOのガバナンスにおける包括性と透明性が確保されると「ザ・サンドボックス」は説明している。

また「The Sandbox DAO」は、「評議会」と「アドバイザー」の2つのグループで構成されるという。

なお「評議会」のメンバーは決定権を持ち、合法性、冗長性、対立、コミュニティの利益に基づいて提案に拒否権を行使することができるとのことだ。

「ザ・サンドボックス」は企業評価額約5,700億円のユニコーン企業アニモカ・ブランズ(Animoca Brands)の子会社でもある。

2022年3月には、スクウェア・エニックス、エイベックス・テクノロジーズ、SHIBUYA109エンタテイメントがそれぞれザ・サンドボックス内で遊べる展開を発表していた。

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参考:発表
images:iStocks/wvihrev・olegback

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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