ゴールドマンサックスら、複数企業とブロックチェーンネットワークのパイロットテスト実施=報道

機関投資家向けブロックチェーン「Canton Network」をテスト

ゴールドマン・サックス・グループ(Goldman Sachs Group Inc)、BNYメロン(BNY Mellon)、シーボー・グローバル・マーケッツ(Cboe Global Markets)が、複数の金融機関及び企業とブロックチェーン基盤の通信システムのパイロットテストを行ったようだ。ブルームバーグが3月12日報じた。

同通信システムのブロックチェーン基盤は、「カントン・ネットワーク(Canton Network)」と呼ばるネットワーク。同ネットワークは、スタートアップ企業のデジタル・アセット・ホールディングス(Digital Asset Holdings)が昨年5月に立ち上げたもの。

「カントン・ネットワーク」は、プライバシーに対応した相互運用可能なオープンブロックチェーンで、スマートコントラクト言語「Daml(ダムル)」により構築されたdApps(分散型アプリケーション)を接続する「分散型インフラ」を同ネットワーク参加者に提供するものだ。ちなみに「ダムル」は、デジタルアセットが開発したエンタープライズグレードのオープンソースのスマートコントラクト言語だ。

なお同ネットワークは当初、昨年7月にテストが開始される予定であった。立ち上げ時にはマイクロソフト(Microsoft)やデロイト(Deloitte)、S&Pグローバル、SBIデジタルアセットらが参加していた。

同テストはこの手の実験では大規模なものであり、テストではシュミレート用の模擬資産が使われたという。

同テストでは、カウンターパーティ・リスクや決済リスクの軽減、資本の最適化など、潜在的なメリットを探るために、トークン化された資産、ファンド登録、デジタルキャッシュ、レポ取引、証券貸付、証拠金管理について、ブロックチェーン上で350以上の模擬取引が行われた。

なお同テストには15社の資産運用会社、13の銀行、4つのカストディアン、3つの取引所、そしてステーブルコインの発行元であるパクソストラスト(Paxos Trust Co.)などが参加したとのこと。

具体的には、abrdn、BNPパリバ、DTCC、DRW、IEX、野村、ノーザン・トラスト(Northern Trust,)、スタンダード・チャータード(Standard Chartered)、ステート・ストリート(State Street)、ビザ(Visa)、ウェリントン・マネジメント(Wellington Management)らが参加したという。

また同テストのレポートでは、今回のテストが、伝統的な金融機関の間でブロックチェーン技術のユースケースに対する「勢いが増している」ことを示すと伝えられている。

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参考:ブルームバーグ
images:iStocks/iLexx

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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