ビットコイン急騰で「キムチ・プレミアム」発生、韓国で2年ぶりの高値を記録

2年ぶりに「キムチ・プレミアム」発生

データプロバイダー「クリプトクアント(CryptoQuant)」によれば、韓国の個人投資家間で暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の取引が活発になっているという。クリプトクアントのCEOであるキ・ヨンジュ(Ki Young Ju)氏がXにて3月7日報告している。

同社提供の「コリアプレミアムインデックス(Korea Premium Index)」は、韓国の取引所と他国の取引所とのビットコインの価格差を表す指標だが、キ氏によれば、同指数がプラス10%を越え、2年ぶりの高水準を記録したという。

なおクリプトクアントのデータは、韓国のビットコイン価格を米ドル市場と比較している。

韓国では規則により、同国取引所での外国人投資家の取引は基本的に禁止されている。裁定取引(アービトラージ)のために海外の取引所から暗号資産を購入した韓国の投資家は、同国の外国為替取引法により処罰対象にもなり得る。

つまり韓国国内での暗号資産の供給量は限られているため、現地での需要が急増すると価格差が大きくなる。

このように韓国で暗号資産の価格が他国とプラスで乖離する現象を「キムチ・プレミアム」と呼ばれている。

これらのことから今回の「コリアプレミアムインデックス」の上昇は、韓国個人投資家による買い圧力の強さを示していると思われる。

なお「キムチプレミアム」は、昨年12月にも起きていた。その際には、韓国最大手暗号資産取引所アップビット(Upbit)にて、トークン上場直後の急騰事例が相次いでいた。

ちなみに韓国の金融規制当局である韓国金融委員会(FSC)は今年1月、韓国国民がクレジットカードを使用して暗号資産を購入することを事実上禁止することを目的とした「与信専門金融業法施行令」の改正案を公告している。

これは暗号資産トレーダーが、海外の暗号資産取引所で暗号資産の購入を制限する動きとのことだった。

関連ニュース

参考:クリプトクアント
images:Reuters

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

合わせて読みたい記事

【4/26話題】コンセンシスがETH規制でSECを提訴、米国政府マネーファンドがP2Pで転送可能になど

米コンセンシス、イーサリアム(ETH)規制めぐり米SECを提訴、フランクリン・テンプルトン、「米国政府マネーファンド」をP2Pで転送可能に、オーケーコインジャパンにオプティミズム(OP)上場へ、国内3例目、米決済ストライプ、「USDC支払い」今夏から導入へ、Fireblocks、機関向けのDeFiセキュリティ機能を拡張、アーサーヘイズ、ビットコインの強気相場続くと予想、コスモス「IBC」でトークン無限発行のバグ修正、アシメトリックリサーチ報告、ビットコインの改善提案「BIP420」公開、スマコン追加やゼロ知識証明など実装に向け、エルサルバドル、公式デジタルウォレット「Chivo」のソースコード流出、米SEC、テラフォームラボと創業者に約53億ドルの支払い命じる