人身売買に暗号資産の使用が増加、FinCEN報告

ビットコインが多く使われる

金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)が公開した報告書によれば、オンラインによる人身売買事件に暗号資産(仮想通貨)の使用ケースが増加しているようだ。FinCENが2月に発表した報告書にて述べている。

なお同報告書は、2020年AML法第6206条に基づいて金融動向を分析するものだ。同報告書では2020年から2021年にかけて、オンライン児童性的搾取(OCSE)および人身売買に関する転換可能な暗号資産(CVC)の使用に関わる疑わしい活動の増加に焦点があてられた。この手の犯罪と暗号資産が関係する報告件数は、2020年の336件から2021年には1,975件となり、ほぼ500%増加した計算になる。

さらに、暗号資産が関与するこれらの犯罪の割合も増加し、2020年にはこれらの報告全体の6%であったものが、2021年には金融報告全体の29%となったという。また報告のうちの95%は、OCSEや18歳未満の児童性的虐待コンテンツ(child sexual abuse material:CSAM)の販売から生じた暗号資産の利益が法定通貨と交換されたケースだという。

これらの犯罪の法定通貨での取引高は、2020年に1億3300万ドルが計上された後、2021年には2億7800万ドルに達したとのこと。FinCENはまた、人身売買の疑いのある事例に関する2,311件の報告のうち、2,157件で使用された主要な暗号資産はビットコイン(BTC)であったと報告している。

またFinCENは、人身売買に関連する4つのタイプを特定。これらには、CSAMを流通させるダークネットマーケットプレイス、ピアツーピア(P2P)取引所の利用、暗号資産ミキサーの利用、暗号資産キオスク(自動販売機)の利用が含まれるとのことだ。

FinCENは昨年10月、規則作成提案公告(NPRM)を発表。その中で国際的な暗号資産ミキシング(CVC mixing)を、マネーロンダリングが懸念される主要な取引類型として指定する姿勢を示していた。

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参考:報告書
images:iStocks/natasaadzic

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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