DeFi債券市場「Secured Finance」がアービトラム・アバランチに続きポリゴンzkEVMでローンチ、マルチチェーン対応へ

Polygon zkEVMでローンチ

新しい形の債券市場の構築を目指す「セキュアードファイナンス(Secured Finance)」が、スマートコントラクトベースのレンディング及び債券市場プロトコル「セキュアードファイナンスプロトコル(Secured Finance Protocol)」をイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2スケーリングソリューション「Polygon zkEVM」でローンチしたと2月9日発表した。

なお「セキュアードファイナンス」は昨年12月にイーサリアム(Ethereum)メインネットでローンチ。今年1月に入りアービトラム(Arbitrum)、アバランチ(Avalanche)へ立て続けて対応開始している。

発表によれば、「セキュアードファイナンス」は取引にかかるガス代・コストの削減と迅速な処理という重要な需要に対応するため、戦略的にマルチチェーン対応を進めているという。

またマルチチェーン対応のメリットとして、異なるブロックチェーン間の同一資産のイールドカーブ(利回り曲線)のズレを利用し、有利な裁定取引の機会を提供できる点等を挙げている。

マルチチェーン対応で目指すこと

「セキュアードファイナンス」は、戦略的マルチチェーン対応によって、ユーザーエクスペリエンスの向上、既存のDeFiプロジェクトとのシームレスな相互運用性を提供するという。

また「セキュアードファイナンス」はブロックチェーン・ネットワーク間での資産移転と情報交換を合理化。正規化された金利がチェーン間のベンチマークとして機能することで、チェーンをまたぐ現金決済不要のシームレスなデリバティブ取引を叶えるアプローチで、クロスチェーン相互運用性が抱える課題解決にも取り組んでいる。

「セキュアードファイナンス」でできること

「セキュアードファイナンス」では、債券という形でローンの相対取引を行うことができる。同プロトコルで標準化された債券の満期が、3か月ごとに予め設定されている。対応している暗号資産はWBTC/ETH/USDC/axlFILだ。

また日本時間2月9日9時からは、プレオープンセッションで初値を決定する「グローバル板寄せ(Global Itayose)」が開始され、8つのマーケット(MAR JUN SEP DEC MAR JUN SEP DEC)でオーダーブックが作成可能になるとのこと。

なお日本時間2月16日9時からは上記8つの全てのマーケットで債券取引が可能になるという。

「セキュアードファイナンスプロトコル」について

「セキュアードファイナンスプロトコル」は、暗号資産(仮想通貨)およびデジタル資産の取引市場において、既存金融の金融商品と同じレベルのサービスを分散型金融(DeFi)サービスとして提供するプロトコル。

既存の債券市場で最も一般的に使用されるOTC市場が抱える「透明性の欠如」や「債務不履行のリスク」という問題を解決するとともに、DeFi市場での流動性の維持、標準化された製品と市場慣例の確立、複雑な規制上の考慮事項の対応などを独自のシステムで解決することを目指している。

「セキュアードファイナンス」のドキュメントによると、同プロトコルは「フルオンチェーンのオーダーブックでありながらイーサリアムのガスコストが比較的抑えられていること」や、「取引とクリアリングハウスの機能統合がもたらす市場流動性の強化」、「多様なニーズに対応可能な柔軟なシステム」、「固定金利市場の提供」、「専門知識を持つ優秀なチーム」という強みがあるという。

なお同プロトコルは今後ガバナンストークンの発行を行い、ガバナンスをDAO(分散型自律組織)に移管するとのこと。トークンの発行は早ければ2024年中に行われ、プロトコルに収益をステーキング報酬に上乗せして分配する予定だという。

「セキュアードファイナンス」について

「セキュアードファイナンス」は暗号資産やデジタル資産領域で投資銀行レベルの金融商品・サービス提供を目指す、日本人のキクチ・マサカズ氏が創業した企業だ。キクチ氏は外資系金融企業を中心に17年間、金融領域に携わり、ハーバード大学ソフトウェア工学修士課程を修了した経歴を持つ。

なおセキュアードファイナンスは2021年7月にシード資金調達ラウンドで約6億(400万ドル)の調達を行ったことを発表している。

この資金調達は、暗号資産のエコシステムにおける大手取引会社であるGSR Markets、オープンソースの研究・開発・展開を行っているProtocol Labs、ベンチャーキャピタルであるFinTech Collective、グローバルテクノロジー投資会社であるHOF Capital、Huobiの戦略的投資部門であるHuobi Venturesから行われたとのことだ。

また個人投資家としては、野村ホールディングス・アメリカの取締役であるジェームズ・デノート(James DeNaut)氏、南アフリカの起業家でシビック(Civic)のCEOであるビニー・リンガム(Vinny Lingham)氏、ツイッチ(Twitch)の共同創業者でゴートキャピタル(Goat Capital)の創業者であるジャスティン・カン(Justin Kan)氏、クオントスタンプ(Quantstamp)のCEOであるリチャード・マー(Richard Ma)氏、コインリスト(CoinList)の最高執行責任者であるスコット・ケト(Scott Keto)氏、IPFSとファイルコイン(Filecoin)の生みの親であるファン・ベネット(Juan Benet)氏なども参加している。

キクチ氏は同資金調達の際のリリースで「今日、私たちは金融システムの民主化に向けた重大な岐路に立っています。当社のビジョンは、分散型金融のリーダーとなることであり、機関投資家レベルのP2Pクロスチェーン決済プロトコルの開発を通じて、この動きを先導することです」と伝えていた。

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参考:発表セキュアードファイナンス
images:iStock/StationaryTraveller・iam2mai

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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