【取材追記】コインチェック、組込型の暗号資産購入サービス「Coincheck OnRamp」提供へ

組込型の暗号資産購入サービス「Coincheck OnRamp」をフィナンシェが導入

国内暗号資産(仮想通貨)取引所コインチェックが、組込型の暗号資産購入サービス「Coincheck OnRamp」の提供予定を2月8日発表した。

「Coincheck OnRamp(コインチェックオンランプ)」は、事業者が提供するゲームやアプリなどのweb3プロダクトにおいて、暗号資産の購入からweb3ウォレットへの送金までをシームレスに実現するサービスとのこと。

なお「オンランプ」とは法定通貨から暗号資産へ交換することを指す。反対に暗号資産から法定通貨への交換は「オフランプ」という。

同サービスが導入されたweb3プロダクトのユーザーは、プロダクトからのログアウトやアプリを閉じることなく日本円から暗号資産を購入・送金が可能となる。そのため「暗号資産の購入からweb3ウォレットへの送金」までをワンストップで実現できるとのことだ。

「Coincheck OnRamp」の導入を希望する事業者は、コインチェックからIDが発行されたのち、プロダクト内にいくつかのパラメータ(変数)を付与したURLを埋め込むことで利用可能だという。

ただし同サービスにより暗号資産を購入するユーザーについては、Coincheckのアカウント登録と口座開設(本人確認)が必要となるとのこと。またプロダクトによっては、別途外部ウォレットの作成が必要になるという。

なお「あたらしい経済」編集部がコインチェックに取材したところ、「Coincheck OnRamp」の対応暗号資産はコインチェックの販売所でサポートしている銘柄から選定しているとのこと。2月20日時点では、ETH・MATIC・FNCTが対象になるとのことだ。購入方法については現金振り込み・コンビニ入金・クイック入金を利用して入金した日本円での決済になるという。

また同サービスは、プロダクト毎に購入できる暗号資産は異なるとのこと。

手数料については、独自のスプレッド(購入価格と売却価格の差)が用いられるとのことだ。

今回の発表によると「Coincheck OnRamp」は、トークン発行型クラウドファンディングサービス「FiNANCiE」運営のフィナンシェが導入し、2月20日からサービスを提供開始するとのこと。フィナンシェが運営する「FNCT.xyz」内でフィナンシェトークン(FNCT)が購入できるようになるとのことだ

コインチェック執行役員 web3Cloud事業本部長の大塚雄介氏はリリースにて「昨今、あらゆる金融系の機能がEmbedded Finance(組込型金融)化しはじめる中、web3プロダクト上でユーザーが暗号資産を使用するためのプロセスは非常に複雑になっており、ユーザー体験の改善が強く求められている状況が続いています。そうした中で、『CoincheckOnRamp』は、ユーザーのUXを向上させ、web3テクノロジーと金融の両軸からプロダクトの成功を支援するパートナーでありたいと考えております(一部略)」とコメントしている。

コインチェック執行役員 web3Cloud事業本部長 大塚雄介氏へ取材

「あたらしい経済」編集部は、コインチェックの執行役員でweb3Cloud事業本部長の大塚雄介氏へ以下の質問について取材した。

今回「オンランプ」機能の提供となりますが、「オフランプ」は導入する予定でしょうか?

昨今のweb3プロダクトにおける状況を鑑みて、「オンランプ」のみといたしました。

暗号資産やNFTを使うことのできるアプリケーションやゲームなどのweb3プロダクトが続々と登場していますが、これらのweb3プロダクトにおける暗号資産の購入・送金の工程の多さや複雑なUXは、プロダクトを運営する事業者やユーザーにとって大きな課題となっています。

このような、web3プロダクトにおける暗号資産購入・送金における複雑なUXの課題を解決するために、提供スピードを優先し、まずは「オンランプ」のみを提供開始する運びとなりました。

現状「オフランプ」の導入については未定ではありますが、今後検討してまいります。まずはCoincheck OnRampによって、web3プロダクトと繋がるユーザーが増えていくことがファーストステップ。ユーザーとプロダクトが成熟していくことで、「十分楽しみ尽くしたからトークンを売却しよう」といったニーズが生まれると思っています。

よりシームレスな「オンランプ」体験のためにクレジットカード決済対応が期待されますが、国内での導入は難しいのでしょうか?

クレジットカード決済につきましては、現状ではまだ難しい状況でございます。ユーザーのUXを向上させるために引き続き様々な手段を検討してまいります。

フィナンシェトークンとは

FNCTは国内3例目のIEO案件としてコインチェックが取り扱いを開始した暗号資産。次世代クラウドファンディングサービス「FiNANCiE(フィナンシェ)」提供のフィナンシェが発行元だ。なおFNCTは「FiNANCiE」を活用するスポーツクラブやクリエイターのコミュニティを活性化するサポーターへ更なるメリットを提供することを目的に設計・開発されたプラットフォームトークンとなる。「FiNANCiE」ユーザーへの報酬や「FiNANCiE」上の優良なコミュニティが継続的に成長するためのインセンティブとしての活用が想定されている。

2024.2.8 14:40※コインチェックへの取材部分追記。また本文内容に一部誤りがありましたので、修正しました。

関連ニュース

参考:コインチェック
images:iStocks/Svetlana-Borovkova

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【4/26話題】コンセンシスがETH規制でSECを提訴、米国政府マネーファンドがP2Pで転送可能になど

米コンセンシス、イーサリアム(ETH)規制めぐり米SECを提訴、フランクリン・テンプルトン、「米国政府マネーファンド」をP2Pで転送可能に、オーケーコインジャパンにオプティミズム(OP)上場へ、国内3例目、米決済ストライプ、「USDC支払い」今夏から導入へ、Fireblocks、機関向けのDeFiセキュリティ機能を拡張、アーサーヘイズ、ビットコインの強気相場続くと予想、コスモス「IBC」でトークン無限発行のバグ修正、アシメトリックリサーチ報告、ビットコインの改善提案「BIP420」公開、スマコン追加やゼロ知識証明など実装に向け、エルサルバドル、公式デジタルウォレット「Chivo」のソースコード流出、米SEC、テラフォームラボと創業者に約53億ドルの支払い命じる