「日本はSTO市場を牽引するだろう」米セキュリタイズCEOカルロス・ドミンゴ氏の意欲

セキュリタイズはセキュリティトークン(証券トークン)のプラットフォームを開発、運営している2017年創設の米国企業だ。

またセキュリティトークンとは、不動産や株などの有価証券をデジタルのトークンとして実現したもの。セキュリティトークンを活用して資金調達をするSTO(セキュリティトークン・オファリング)という手法が新たに金融分野の可能性を広げることが期待されてる。

11月27日にSBIホールディングス株式会社の100%子会社のSBIインベストメント株式会社は、同社が運営する「SBI AI&Blockchainファンド」を通じて、セキュリタイズへ出資したことが明らかになった。

当ラウンドの資金調達は米セキュリタイズのシリーズA ラウンドの延長であり、調達総額を3,000万ドル以上に引き上げた。そして、既存投資家であるBlockchain Capital、SPiCE VC、SeedRocket4Founderもこの資金調達ラウンドに参加した。

米セキュリタイズは多くの日本企業から出資を受けている。具体的には、三菱UFJ銀行(MUFG)や野村ホールディングス、KDDI、三井不動産、Global Brain、そしてSBIホールディングスだ。

さらに米セキュリタイズは、MUFGが結成した大企業中心のセキュリティートークンコンソーシアムへもテクニカルパートナーとして参画している。このコンソーシアムには、NTT、KDDI、三菱商事など21社が参画している。

このように、日本との連携を深めてきた米セキュリタイズのCEOであるカルロス・ドミンゴ氏に対し、あたらしい経済編集部は「日本企業との連携が進んでいますが、改めて日本のSTO市場をどのように捉えていますか?」と取材。

取材に対し、カルロス・ドミンゴ氏は「私は日本がSTOマーケットを牽引していくだろう考えています。そして私たちも現状考えられる最高のパートナーや投資家と共に準備ができている」と日本マーケットに強い意欲を示した。

セキュリティトークンやSTOについては、日本でも来年4月に改正された金融商品取引法が施行され、規制の対象となる。つまりルールが整い多くの企業が扱える様になるわけだ。それに向けて現在多くの企業が水面下で動いており、その動きが活発化している状況が伺える。

 

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

米DTCC子会社DTC、SECからノーアクションレター取得。規制下のトークン化サービス検証へ

米国の金融市場インフラを担うデポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング・コーポレーション(Depository Trust & Clearing Corporation:DTCC)が、子会社であるデポジトリー・トラスト・カンパニー(Depository Trust Company:DTC)について、米証券取引委員会(SEC)の取引市場部門スタッフからノーアクションレターを取得したと12月11日に発表した

スーパーステートがトークン化株式の直接発行プログラム公開、ソラナとイーサリアムに対応

金融テクノロジー企業のスーパーステート(Superstate)は、イーサリアム(Ethereum)とソラナ(Solana)のブロックチェーン上でトークン化された株式を、米SEC(証券取引委員会)登録の公開企業(上場企業を含む)が直接発行できる新プログラム「ダイレクト・イシュアンス・プログラム(Direct Issuance Programs)」を12月10日に発表した