暗号資産決済「Slash」がMantle Networkと提携、独自トークン「SVL」のエコシステム移行へ

暗号資産決済「Slash」がMantle Networkと提携

Slash Fintech Limited(スラッシュフィンテックリミテッド)が、モジュラーブロックチェーンMantle Network(マントルネットワーク)との戦略的パートナーシップ締結を1月30日発表した。

この提携は、マントルネットワークの日本市場における事業展開の推進を目的としたものであるという。なお今月10日にスラッシュフィンテックは、同社提供の暗号資産決済ソリューション「Slash Web3 Payments(以下スラッシュ)」をマントルネットワーク上の暗号資産決済に対応していた。

今回の提携により「スラッシュ」は、イーサリアム(Ethereum)ネットワークからマントルネットワーク上へ移行するとのこと。

その他にも、「スラッシュ」発行のSlash Vision Labs Token:スラッシュビジョンラボトークン(SVL)および同トークンを基軸としたSVLエコシステムについてもマントル上に移行するという。なおSVLは、2024年上半期に暗号資産(仮想通貨)取引所へ上場予定とのことだ。

発表によると今回のネットワーク移行は、イーサリアムによる高額なガス代(ネットワーク手数料)によるSVLエコシステム設計の困難さやL2及びモジュラーブロックチェーンの普及による個別最適化された市場構造への対応をふまえ、決定したとこと。

なおマントルネットワークは、チェーンのコアになる構成要素を、役割分担させて組み合わせて一つに構成したモジュラー型のブロックチェーンで、イーサリアム(Ethereum)のレイヤー2として稼働している。

同ネットワークは、ブロックチェーンのトリレンマを解決することを目指し、Execution(エグゼキューション)、Settlement(セトルメント)、Consensus(コンセンサス)、Data Availability(データアベイラビリティ)といったブロックチェーンの構成要素となる各レイヤーを最適化しており、高いセキュリティと分散性、コスト削減を実現しているという。

これにより「スラッシュ」のユーザーは、マントルネットワークでの決済によって、より低いガス代で即時に決済が実行できるとのことだ。

「スラッシュ」COOのTokio Nakamoto氏は、「Mantle Networkの革新的なソリューションは、安全で、分散型で、費用対効果の高い決済プロトコルを提供するという我々のコミットメントに完全に合致している。このパートナーシップは、スラッシュ・ペイメントの機能を強化するだけでなく、分散型金融ソリューションの成長と相互運用性を促進する我々の献身を強調するものである(一部略)」とコメントしている。

なおSVLエコシステムでは、Vote Escrowed(ve)TokenであるveSVLを採用したインセンティブ設計により、veSVL保有者に事業収益を還元する決済ビジネスの構築を予定しているとのこと。

同決済ビジネスにおいて発生した収益は、マントルネットワークの独自トークンMNTの買い上げに100%使用されるとのこと。veSVL保有者はリワードとしてMNTが付与され、さらに報酬プールに振り分けられているSVLも同時に付与される事となるとのことだ。

「スラッシュペイメント」とは

「スラッシュペイメント」は、顧客が暗号資産で決済する際に支払先が受け取り希望する暗号資産を持たなくとも、顧客自らが保有する暗号資産が決済画面において自動的にスワップされ、支払先希望の暗号資産で支払いができるサービスだ。システムがDEX(分散型取引所)ルーターと連携することで、最適なレートで暗号資産をスワップする仕組みとなっている。

ユーザーが支払いに利用できる暗号資産は「スラッシュペイメント」がサポートするブロックチェーン上で発行されている1400以上の銘柄がサポートされているとのこと。また売り上げとして暗号資産を受け取る導入店舗側はUSDT・USDC・DAI・JPYC・wETHといったステーブルコインを選択して受け取りができるようになっている。また導入店舗は、コントラクトの発行を行うだけでQRコード/APIの利用が可能となっている。

現在同サービスでは「OPメインネット」の他、イーサリアム(Ethereum)、BNBチェーン(BSC:BNB Smart Chain)、Polygon PoS(ポリゴンPoS)、アバランチ(Avalanche)のCチェーン、アスターネットワーク(Astar Network)、アービトラムワン(Arbitrum One)、マントルネットワーク(Mantle Network)のブロックチェーン上の暗号資産での支払いに対応している。

なおスラッシュフィンテックリミテッドでは「スラッシュペイメント」の他に、NFTに暗号資産の預入と引出ができるサービス「Slash Vaults(スラッシュボールト)」も提供している。

関連ニュース

images:iStocks/Lidiia-Moor

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

バイナンスが資産運用サービス「オンチェーンイールド」提供開始、バビロンから対応

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)提供の資産運用サービス「バイナンス・アーン(Binance Earn)」にて、新機能「オンチェーン・イールド(On-chain Yields)」が12月9日にローンチされた。なおバイナンスは同機能の公開について12月5日に発表している

【12/11話題】コインチェックが米ナスダック上場、バイナンスとサークル提携、リップルRLUSDがNYDFSより承認など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored