アバランチのAva Labs、独自スケーリング技術「Vryx(ヴェリクス)」を発表

Ava Labsが独自のスケーリング技術を発表

レイヤー1ブロックチェーン「アバランチ(Avalanche)」開発の米アバラボ(Ava Labs)が、独自に開発した新しいスケーリング技術である「Vryx」を1月27日に発表した。アバラボのエンジニア部門のヴァイスプレジデントであるパトリック・オグラディ(Patrick O’Grady)氏がXにて同技術を解説している。

なおアバラボのJapan Headであるロイ氏によると「Vryx」は、「ヴェリクス」と読むとのこと。

これまで「アバランチ」では、ビットコインなどの多くのブロックチェーンと同様に、トランザクションを順序だてて処理していく方法をとっていた。

しかし、今回発表された「ヴェリクス」ではトランザクションの処理工程を分離することで、独立に並列して処理する仕組みを採用している。これにより毎秒10万件のトランザクション処理を「アバランチ」で可能にすることを目標としているとのことだ。

なお、並列してトランザクションを処理する仕組みは新しいものではなくソラナ(Solana)やアプトス(Aptos)などですでに採用されており、パトリック氏はこの方式が多くのチームによってスループットを向上させる実験結果を出していることについて触れている。

「ヴェリクス」は、初めにアバラボが提供するブロックチェーンの開発キット「HyperSDK(ハイパーSDK)」で利用可能になるが、最終的には「アバランチ」の仮想マシンにも実装し、メインネットでも利用可能にする予定だという。

初期段階として、2024年の第2四半期の中ごろに「HyperSDK」のテストネットでローンチする予定とのことだ。また2月2日にはパトリック氏がYouTubeにてプレゼンを行う予定だ。

アバラボは独自の機能を多く開発し発表している。昨年にはアバラボがRust言語を用いて0から開発する高速ブロックチェーン用のデータベース「ファイアウッド(Firewood)」を発表し注目を集めた。「ファイアウッド」は通常時間を追うごとに増大していくブロックチェーンのデータを効率良く保存することを可能にするとのことだ。

関連ニュース

参考;Vryxドキュメント
images:iStock/DKosig

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

【1/17話題】トランプ新政権が暗号資産を国家優先事項に、ヴィタリックがSoneiumの対応に好意的意見など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

Napier Labs、利回りトークン化プロトコル「Napier Finance v2」の追加情報を公開

大手DeFi(分散型金融)プロトコル「カーブファイナンス(Curve Finace)」の創業者らが出資するなどで注目を集めるDeFiプロジェクト「ネイピアファイナンス(Napier Finance)」の主要開発元「ネイピアラボ(Napier Labs)」が、新プロトコル「ネイピアファイナンスv2(Napier Finance v2)」についてのブログを1月15日に公開した

ソラナDEX「Jupiter」の「JUP」トークンが2回目のエアドロへ、割当チェッカー公開

分散型取引所(DEX)「ジュピター(Jupiter)」の独自トークン「JUP」が、2回目のエアドロップ(無償配布)で合計7億JUP(約900億円)配布される。またエアドロップ割り当て数を確認できるチェッカー機能が公開された。「ジュピター」の公式Xアカウントで1月16日発表されている

マレーシア、暗号資産・ブロックチェーンの法律導入を検討

マレーシアのアンワル・イブラヒム(Anwar bin Ibrahim)首相が、アブダビ政府および大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)と会談し、マレーシアにおいて暗号資産やブロックチェーン技術に関する法律の導入を検討していると現地メディア「ニュー・ストレーツ・タイムズ (New Straits Times)」が1月14日報じた